第4話 過酷な日々


エミリアが奴隷として過ごしていた日々は、

終わりの見えない過酷な労働の連続だった。



彼女が11歳のとき、山賊に捕らえられたエミリアは、他の奴隷たちと共に農場に送られた。



そこで待っていたのは、家畜の世話、畑仕事、物資の運搬といった厳しい労働環境だった。



そこには小さい男の子アルという4歳ぐらいの子もいた。



朝日が昇る前に、エミリア達は叩き起こされた。


寝不足の目をこすりながら、彼女は薄暗い小屋を出て、すでに重労働が始まっている農場へ向かった。彼女の手には、錆びついた古いバケツが握られていた。


まず初めに、家畜たちの世話が待っていた。


羊の群れをまとめ、飼い葉を与え、水を補充する。


二足歩行の恐竜ベラトールとオナスも、その巨体に見合った量の餌を必要としていた。


彼らはエミリアの存在を恐れず、むしろ彼女が運ぶ食料を待ち望んでいた。


「ほら、ベラトール。今日は特別に多めにあげるよ。」


エミリアはベラトールの大きな目を見つめながら、優しく話しかけた。


家畜たちとの短い交流が、彼女にとって唯一の安らぎのひとときだった。


次に待っていたのは、広大な畑の仕事だった。



炎天下の中、エミリアは小さな手で大きな鍬を握り、地面を掘り返し、種をまき、水をやった。


背中には汗が流れ、手には無数の豆ができていた。


それでも、彼女は休むことなく働き続けた。


「もっと速く動け、怠けるな!」

監督者の怒鳴り声が響き、エミリアの背中に鞭が打ち付けられた。



痛みに顔を歪めながらも、彼女は涙をこらえ、黙々と作業を続けた。


夕方になると、今度は物資の運搬が待っていた。


重い袋や木箱を担ぎ、遠くの倉庫まで何度も往復する。小さな体に過酷な負担がかかり、足はふらつき、膝はガクガクと震えた。



それでも、エミリアは歯を食いしばって歩き続けた。

夕食は飼料と根っこの入ったのスープでたまにクズ野菜が入っていればいい方だった。



少ない食事の中、少しでも足しになるよう

畑の隅に食べられる野草を入れて、小さな子供達に優先して食べさせていた。



どうやら大人の奴隷達は戦争の為、兵隊として連れて行かれた。



役に立たない子ども達はこうやって畑や水汲みや家畜の世話して過酷な日々を過ごしている。



そんな暮らしを数ヶ月も続けていると


小さなミアとアルはもう限界に近い。



その分、私が頑張らないという覚悟が彼女の心支えににもなっていた。


「お前のような子供が役に立つとは思わなかったが、意外と頑張っているな。」


監督者が冷笑を浮かべながら言った。


「だが、お前が休むことなく働かなければならないことは変わらない。」


エミリアはその言葉に無言で頷き、再び重い荷物を肩に担いだ。


彼女の心の中には、父親の言葉と、かつての自由な生活の記憶が生き続けていた。



「私は負けない…絶対に負けない…」エミリアは自分に言い聞かせながら、過酷な労働に耐え続けた。


彼女の瞳には、希望と決意が宿っていた。


夜が訪れ、ようやく一日の仕事が終わると、


エミリアは泥だらけの体で小さな寝床に倒れ込んだ。


疲労で体は動かず、瞼は重く閉じた。


しかし、心の中では明日への希望が消えることはなかったはずだった。


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