第21話 クリスティア捜索作戦
クリスティア捜索作戦が開始してから数日が経った。
未だ手がかりは掴めず、空振り続きだ。
「やっぱりここもダメか……」
地図を見ながら歩く青葉。
クリスティアが居そうな場所を片っ端から探してみたが手がかりは見つけられなかった。
「残りは灯台か……」
「青葉さん、こんの詰めすぎはよくないわよ」
そう言って愛実がやってきた。
「愛実ちゃんか。……俺、クリスティアの恋人役に過ぎなかったのかな……」
「青葉さん、しっかりしてたじゃない。誇っていいと思うわよ」
項垂れる青葉に対し励ましの言葉を送る愛実。
「ありがとう、愛実ちゃん。……こうしてられないな。聞き込みを続けるよ」
「アタシも手伝うわ」
「……ありがとう」
フッと笑う青葉。
「っ……」
その優しげな笑みにドキッとする亜美。
「愛実ちゃん、顔赤いけど大丈夫?」
「だ、大丈夫よ!これくらい……!」
ブンブンと頭を振って思考を切り替える。
「そんな事よりクリスティアを探さないと。とっ捕まえてとっちめてやるわ」
「とっちめるって久々に聞いた気がするよ……」
クスリと笑う青葉。
ますます赤くなる愛実。
「……もしかして、熱でもある?」
青葉は愛実のおでこに手を伸ばし軽く触れる。
「!!」
そのまま固まる愛実。
「熱は無さそうだね。病院行ってみるのもオススメだよ」
笑顔でそういう青葉。
「う、うっさいわね、わかってるわよ」
「あはは!怒った亜美ちゃんも可愛いよ」
「からかわないでよ!」
ますます顔を赤くさせる愛実。
「ごめんごめん。でも俺は愛実ちゃんの事嫌いじゃないよ?」
「……どういう意味よ」
ムッとした顔で問いかける愛実。
「そのまんまの意味さ」
クスリと笑う青葉。
「よくわかんないわ」
不機嫌そうにそう告げる愛実。
「とりあえず今日はここまでにしようか。今日の料理当番は珠ちゃんだったはず」
「なら期待ね。あの子のご飯、美味しいもの。」
嬉しそうに話す2人。
それはまるで恋人同士の様だった。
「ただいま戻ったわよ」
「あ、愛実!おかえり〜!ご飯できてるから食べちゃって!」
嬉しそうに話す彩。
「えぇ、わかったわ。」
愛実はさっさと夕食を食べ終え自室に戻ってきた愛実は1人考える。
「…………私、青葉さんのこと、好き、なのかも」
ポツリと呟く。
ベッドに横になると青葉の顔ばかり浮かんでくる。
「だ、誰があんなお豆腐メンタルを……!」
そうは言うものの認めざるを得ない。
そう、愛実は青葉に惚れてしまったようだ。
恋の三角関係になってしまった。
果たして愛実は青葉に想いを伝える事が出来るのだろうか。
答えは神のみぞ知る。
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