第20話 作戦会議

愛佳がシュテルの手に渡って数日。

彩の部屋で作戦会議が行われていた。

「まずは愛佳ちゃんの安全の確保。次にシュテルの壊滅。いいね?」

「……珠ちゃん、あの時何も出来なくてごめん」

そう頭を下げる青葉。

「謝らないでください。私がちゃんと守れなかったせいですし……。」

アワアワと慌てた様子で答える珠。

「それで、シュテルの基地の場所は?」

「それがわからないんだよねー。青葉は何か聞いてない?」

「全く。彼女がスパイだったのも知らなかったし……。多分俺に近付いたのも愛佳ちゃんを天元に入れるためだと思う」

「なるほどねぇ……」

海が顎に手を当てて考える。

「クリスティアは愛佳ちゃんを天元に入れて連れ去って行った。つまり裏切り者って事だよね。となると対策としては……クリスティアを探して意地でも聞き出すしかないかなぁ……」

海から怒りのオーラを感じる珠と彩と青葉。

「海さんが怒ってる……」

「私、裏切りとかが一番嫌いなの。本当に腹立つよ」

ギリ、と爪を噛む海。

「海が怒るのも最もだよ。私が見抜けなかった責任もあるし」

そう彩が告げる。

「とりあえず当面はシュテルの本拠地を探しつつ怪異祓い、これで異論は無いかな?」

「私は賛成です」

珠がそう告げる。

「私も文句はないよ。片っ端から聞き込みして回るよ」

そう告げる海。

「俺も……クリスティアを見つけ次第報告するよ。」

こくり、と頷く青葉。

「愛佳ちゃん……必ず助けに行くからね……!」

そう呟く珠。

クリスティア捜索作戦の開始だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る