第19話 襲撃2

「ふぅ。これでや〜っと本性出せるわぁ。」

ぐぐ、と伸びをしながらそう告げるクリスティア。

「クリスティアさん、まさか…」

「ご名答。私はシュテルから来た者よ。」

「そ、そんな…クリスティア…」

「悪いわねぇ、青葉。アンタとの恋人ごっこ、楽しかったわ」

青葉がガックリと項垂れる。

そんな青葉を無視しクリスティアは続ける。

「愛佳を渡しなさい。そうすれば命だけは助けてあげる」

「お断りします」

珠がハッキリと告げる。

「あらそう。なら…ここでお別れね!」

パシィン!と鞭をしならせるクリスティア。

「はぁっ!」

クリスティアは鞭を珠に向かいうち放つ。

「っ!」

それを受け止め投石をする珠。

「甘いわ!」

それを鞭で絡め取り投げ返す。

「いっ…!」

モロに喰らった珠はもんどり打って倒れ込む。

「珠…さん…!」

「さぁ、お迎えに来たわよ、お姫様。」

「珠…さん……!」

「愛佳さん…」

鞭で愛佳を拘束し悠々とこの場を去っていった。

愛佳はシュテルの手に渡ってしまった。

運命の歯車が大きく動き出す。

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九十九珠の夏休み 安どぉなつ。 @danjonlive

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