第13話 シュテル

ある日のこと。

天元でいつも通り過ごしていた海達にサングラスにスーツを着た男性が数十名押しかけてきた。

「愛佳はいるか!」

そう叫ぶスーツを着た男。

「あの人たち……私……狙ってる……」

そう言って珠の背中に隠れる愛佳

「お兄さん達さぁ、マナーとか無いわけ?仮に居ても教えないよ?」

「貴様に用はない!」

「うひやぁ!?」

彩を突き飛ばすとズカズカと珠の元へやってくる。

「背中の女を寄越せ」

「嫌です。絶対に渡しません。」

強く告げる珠。

「なら力づくで……!」

スパァン!と男1人すっ飛んだ。

「実力行使なら負けませんよ」

「全員捕らえろ!」

「はぁっ!たあっ!やぁっ!」

珠は能力をフル活用し男達を次々となぎ倒し愛佳を守る。

「こっちも忘れないでね!」

海も応戦する。

「長!大丈夫ですか!?」

海が彩の元に駆け寄る。

彩はゆらりと立ち上がると、次の瞬間には男達が全員吹っ飛んでいた。

「何が起きたの!?」

「あー、長がキレたんだよ。珍しいね」

「よくも私の仲間に手を出してくれたな。お返しにこの拳をプレゼントしてやるよ!」

普段の温厚さは何処へやら、片っ端から男達をなぎ倒していく。

辺りはボロボロになってしまったがそれはそれ。

「このバケモノが……!」

「一旦撤退だ!」

男達は我先にと去っていった。

「……あの人たち……私のこと……狙ってる……シュテル……って、名前の集団……」

「シュテルねぇ……まーた変な展開になってきたねぇ」

「でもどうして愛佳さんが狙われているんでしょう?」

「私の……浄化の……力を使おうとしてる……。」

「浄化の力ってこの間の?」

「うん……でもアレは本気じゃない……。シュテル、の、目的は、世界の浄化……」

「世界とはまたスケールが大きいねぇ」

肩を竦める海。

「……私、には……浄化の能力がある……一族の生まれ……。」

「代々受け継がれてきたってことですか?」

「……ん」

こくり、と頷く愛佳。

「なるほどねぇ……とりあえず愛佳ちゃんはこの天元彩が命をかけてでも守り抜くよ!」

彩はすっかりいつもの調子に戻っていた。

「ありがとう……ございます……」

深々と頭を下げる愛佳。

「そんな畏まらないで!自分の家だと思ってくつろいでってよ!」

「は、はい……」

小さく頷く愛佳。

「珠ちゃん。愛佳ちゃんの護衛、頼める?」

「は、はい!頑張りますっ」

むんっと胸を張る珠。

「オッケー!じゃあとりあえず皆任務に戻って!」

そう言うと皆それぞれの任務につく。

謎の集団シュテル。

果たして目的はなんなのか__

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