第9話 東組

「あーもー!天元のヤツらムカつくー!」

嘉悦は椅子にドカッと座るとそう叫ぶ。

「まぁまぁ嘉悦様、落ち着いてください」

江夏が落ち着くよう宥める。

ライバル組織故にイライラが増しているようだ。

「最近入った新入りって子も居たし、なんなのよもう!」

嘉悦の怒りはおさまる事無く机を叩く。

「嘉悦様……」

江夏はそんな嘉悦を眺めることしか出来なかった。

「こうなったらウチもメンバー募集するわよ!」

「は、はぁ……」

唐突な発想に驚く江夏。

「江夏、早速ポスター作りお願い!」

「了解しました。」

そう言うと江夏は部屋を後にする。

一人残った嘉悦は天元にどう仕返ししてやろうかと考える。

「もっと嫌がらせしてやるのもいいわね……」

ブツブツと呟く嘉悦。

「アイツら大型連休で気が緩んでるしそれもアリね……」

嘉悦はガタリと席を立つ。

「よし!決めたわ!徹底的に嫌がらせしてやるんだから!」

そう告げると嘉悦も部屋を後にする。

静まり返った部屋で、物音はひとつもなく。

主が居ない部屋は静謐に包まれていた。

そんな時、窓からヒラリと紙が机に落ちる。

内容は【天元からパーティーのお知らせ】だった。

近々仲直りも含めてパーティーを行うらしい。

嘉悦がそれに気付くのは当分先になるだろう。

部屋は静まり返ったまま、ただ紙だけが残されていた。ら

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