第6話 再開
珠の怪我が治ったので今日からまた任務復帰だ。
「またこれから頑張りますのでよろしくお願いします……!」
頭を下げてそう告げる珠。
「そんな畏まらなくていいよー!もっと気軽に!」
彩が笑顔でそう告げる。
「ありがとうございます」
微笑み返す珠。
「じゃあ今日は簡単そうな妖にしよっか。はい。」
そう言って紙を渡す。
内容は狐型の妖の討伐だ。
3匹で行動しているようだった。
「海は別の任務に出てるから1人で行ってね!気を付けて!」
「は、はい!」
こくり、と頷く珠。
早速任務に向かっていった。
路地裏に着くと狐型の妖が3匹こちらを見ていた。
「Guuu……」
狐型の妖はこちらを見て唸り声をあげる。
「あなた達に恨みは無いけど……ごめんなさい
!」
そう言って珠は小石を拾うと第三宇宙速度で狐型の妖の核を砕く。
アッサリと終わってしまった任務に少し物足りなさを感じながらも帰路に着く珠。
路地裏は珠の投石により更地と化していた。
「戻りました〜」
ドアを開け彩に報告する。
「おっかえりー!簡単だったでしょ?」
「はい。」
「動物形の妖は弱いのが多いからね。あえて楽な仕事にしてみたんだ!」
「お気遣いありがとうございます。」
「いいっていいって!お風呂沸かしてあるから入りなよ!」
「ありがとうございます。ではお風呂お借りしますね。」
「ん、行ってらっしゃい!」
ブンブンと手を振って珠を見送る彩。
珠は風呂でゆっくり浸かっていると。
「珠ちゃんお疲れ!」
海が乱入してきた。
見事に実った果実が目立つ。
2人は並んで浴槽に浸かっていた。
「……海さんは何故この組織に?」
「アタシはね……親を殺されたの。復讐の為に入ったって感じかな」
ケラケラと笑う海。
「復讐……ですか」
「まぁそんな重く考えないで!」
「は、はぁ……」
重く考えるなと言われてもそう考えてしまうものである。
「じゃ、アタシあがるから!」
「はい」
そう言って海は風呂場を後にした。
「……私もそろそろ出よう」
続いて珠も湯船からあがり、濡れた身体をタオルで拭く。
パジャマに着替えると風呂場を後にする。
部屋に着くと珠はベッドにダイブする。
そしてそのまま寝に入ってしまう。
すやすやと寝息を立てて眠る珠。
そんなに戦闘していないのに疲れてしまった様だ。
再開の日は、十六夜の月であった。
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