第4話 休息
全身複雑骨折と言われ休養中の珠。
布団で寝転がったまま一日を過ごしていた。
「海さん、大丈夫かな…」
海は妖退治に出掛けていた。
そんな海を心配している珠は心優しい性格だ。
「ほっ!はっ!やぁっ!」
一方海は路地裏に棲む妖を祓っていた。
水圧を強めた水鉄砲で一撃で核を貫く。
「Gaaaaa!」
「しまっ…!」
後ろをオオカミ形の妖にとられ、喰われそうになった刹那___
「全く、相変わらず猪突猛進ね」
金髪のロリータ服を着た少女が指鉄砲でオオカミ形の妖を祓う。
「亜未…」
彼女の名は
海に次ぐトップクラスの祓い屋だ。
同じ天元に所属しており、2人は幼なじみの腐れ縁だ。
「亜未、ありがと。助かったよ!」
「お礼は後!まだ来るわよ!」
ゾロゾロと妖が湧いてくる。
「行くわよ、海!」
「了解、亜未!」
「「Bang!」」
2人の連携で妖の群れを一掃する。
亜未の能力は破壊に特化しており、指鉄砲はあの黒曜石すら貫く。
2人によって祓われた妖達は塵となって消えていく。
「大物!」
「2人でなら、負けるわけなし!」
「Gyaaaaaa!!!」
巨大なオオカミの形をした妖に向かい撃つ2人。
「喰らえっ!」
海が水鉄砲でオオカミの妖の身体を消し、核を丸出しにする。
「亜未!」
「了解!」
亜未は指鉄砲で核を貫き、巨大なオオカミの妖は消え去っていった。
「大勝利〜!」
「アタシがいなけりゃ勝てなかったクセによく言う!」
「亜未の助けがあっての勝利だよ!ありがとうね!」
「ま、まぁね!アタシも久しぶりに海と戦えて楽しかったわ。じゃ、アタシは報告してくるから」
「了解!気をつけて!」
「アタシに祓えない妖はいないっての!」
そう言うと亜未は歩いて去っていった。
「いやぁ、ホント危なかったなぁ…」
海も帰路に着く。
「そうだ、珠ちゃんと長へのお土産でも買っていこ!」
ルンルン気分で街に出る海。
お土産は名物のたい焼きだ。
カスタードクリーム味が一番人気の店だ。
「すみませーん、たい焼きカスタード3つ〜!」
「あいよー!」
しばらくするとたい焼きが3つ入った袋が渡される。
「また来てねー!」
店に住む子供だろうか、手を振って海を見送る。
海も軽く手を振り返して帰路に着く。
「珠ちゃん、暇してるだろうな〜」
そんな事を呟きながら帰り道を歩く海なのであった。
「ただいま〜!珠ちゃん、長、たい焼き買ってきました〜!」
「海さん、おかえりなさい」
「海おかえり〜!たい焼きだ〜!」
キャッキャと喜ぶ彩。
早速たい焼きを頬張る彩。
「路地裏に溜まってた妖共を退治してまいりました。」
「ご苦労さま!今日はゆっくり休んで!」
たい焼きを食べながらそう告げる彩。
「海さん、たい焼き、ありがとうございます。」
「いいっていいって!美味しい?」
「はい!」
「なら良かった!」
2人の反応に喜ぶ海。
「じゃ、アタシは部屋に戻るね。珠ちゃん、しっかり休むんだよ!」
「はーい」
軽く手を振って海は去っていった。
カスタードクリームのたい焼きは、とても美味であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます