第3話 初仕事

「さて!珠ちゃん、最初の仕事だよ!この妖を海と一緒に退治してきて!」

そう言って渡されたメモには、ドラゴン形の妖の姿。

「これ…祓えるんです?」

「行ける行ける!珠ちゃんの力があれば出来るよ!」

キャッキャとはしゃぐ彩。

「場所は東区の北方面だよ!いい報告待ってるよ!」

「仕方ない…行きましょう、海さん」

「だね!レッツゴー!」


東区北方面

「Guu…」

「…デカっ!」

巨大なドラゴンの形をした妖だった。

「Gaaaaa!」

ドラゴンの形をした妖は珠達を見ると炎を吐いてきた。

「甘い!」

海の能力、水を操ってシールドを作り防ぐ。

「珠ちゃん!」

「はい!えい!」

小石を拾うと、第三宇宙速度で投げる。

「Gaaaaa!」

ドラゴン形の妖は食らっても直ぐに再生されてしまった。

「嘘…!」

「Gyaaa!」

ドラゴン形の妖は大きな尻尾で薙ぎ払ってきた。

「いっ…!」

「きゃあああ!!」

モロに喰らった2人は吹き飛び、もんどり打って倒れ込む。

「やってくれたね…!お返しよ!!」

高水圧の水鉄砲でドラゴン形の妖の核を貫く。

「Gaaa…」

ドラゴン形の妖はサラサラと消え去っていった。

「珠ちゃん、大丈夫!?」

急いで珠の元へ向かう海。

「大丈夫…です…」

「うーん、これは骨までいってるね。医務室で診て貰いなよ」

「はい…初仕事なのに…すみません…」

落ち込む珠に励ます海。

「さ、帰ろ!」

「はい…!」

そうして2人は帰路に着く。

医務室に着くと珠は医務室を取り仕切る青葉あおば春菊しゅんぎくに怪我の度合いを診て貰っていた。

「うん、複雑骨折してるね。全治2週間ってところかな。お大事に」

「はい。ありがとうございました」

ギブスをしてもらい、医務室を後にした。


自室に着くとベッドに寝転がり、今日の戦いの事を思い出す。

「(私、役に立てなかったなぁ…)」

心の中でそう思う。

投石が効かなかった相手は初めてだった。

報告の際、彩がかなり心配していて余計罪悪感を感じた。

「(次からは役に立てるように頑張ろう…)」

そう心に誓う夜なのであった。

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