第5話 いざゆかん!それはフラグ?


 それから、私は自分の能力のレベルを構築した。

 私の能力がこちら。

 修復レベル5

 異言語理解レベル8

 水魔法レベル4

 光魔法レベル4

 治癒魔法レベル4

 生活魔法レベル3

 料理レベル3

 裁縫レベル3

 植物知識レベル3

 槍術レベル5

 弓術レベル2

 解体レベル3

 時魔法レベル3

 算術レベル5

 念話レベル1


 この世界では能力のレベル一つごとに一つのスキルが得られる。

 修復能力は低レベルだと物を直したるするスキルを得られるけど、レベル5になると自分の体の状態をリセットできるみたい。光魔法の清浄や治癒魔法とセットで使うスキルとして知られている。これが観測者が必要といっていたスキル。

 異言語理解は思いっきりあげた。レベル5までは一つずつ別の言語を覚えられる。レベル6で感覚的に知らない言語を聞くと意味がわかるようになり、レベル7で文字が読めるようになり、レベル8で感覚的に知らない言語でも簡単に書けるようになる。レベル9は古語の会話、レベル10で古語の読み書きができるようになるらしい。とりあえずレベル8あれば元の世界に戻ってもかなりの能力になるはず。

 魔法はだいたい4あればちょっとしたことでは困ることがないらしい。水魔法でいうとレベル1では少しの水が出せる程度、レベル2で連続して水が出せるようになり、レベル3でウォーターカッターみたいな単体攻撃魔法、レベル4で霧状の範囲攻撃魔法となるらしい。レベル5以上になるとどんどん規模の大きな魔法になって、冒険者ギルドなどにいっても目立つ存在になっていくみたい。なので魔法は全部4以下。

 生活魔法は3で収納が覚えられるみたいなので3に。参考までに1は明かりで2は風魔法を持っている人は掃除、水魔法持っている人なら洗濯、火魔法を持っている人なら火力調整、地魔法持っている人なら竈作成らしい。

 料理や裁縫といった家事系の能力のスキルは1でも普通の主婦並みになるみたい。レベル2でちょっと家事上手な主婦、レベル3までいくと近所でもちょっと評判になる(でも素人レベル)になるようなのでレベル3に。で、レベル3までいくと料理人見習いとか縫い子見習いぐらいには成れるみたいなので、ちょっとしたお店で働くならこのぐらいあるといいらしい。

 植物知識は3あれば簡単な薬草や山菜を採ってこれるぐらいの初期知識。これもレベル7ぐらいで植物学者、レベル10になるとみたことのない植物でもなんとなく育て方や薬効、調理法なども感覚でわかるようになるらしい。


 槍は・・・剣は近くで戦わないといけないから怖いなって。ちょっと遠くから突くぐらいならできるかと。でもレベル5までなるとそこそこ熟練者ということで不意打ちをされても大丈夫になるらしい。しかも武術関連は多くの人が必要で身につけているのでレベル5はそこそこいるらしい。半数以上の人が持っていておかしくないレベルとのこと。あと最悪竹槍みたいな感じで棒状の物をとがらせれば槍術から得られるスキルが生きるらしくて、初期費用が少ない私にとっては安く木槍みたいな武器が手に入ることも魅力的だ。

 弓は道具が要るから、本当は選ぶべきじゃないと思いつつ、弓道に少し憧れていたので。その代わりにレベルは2に。2でも落ち着けば木に止まっている鳥ぐらいは捕れるみたい。

 解体はできるとギルドで働くこともできるみたいなので初心者レベルの3に。

 時魔法は3にしておくと収納魔法とあわせて中に入る物の時間経過をゆっくりにできる。

 算術は普通に日本の高校を出たレベルで5にはなるらしく、これは算術とった時点でレベル5だった。

 念話はおそらくわんこと毎日のように話すからすぐにレベル上がると言われて1に。


 あと3つぐらいあげてもいいよと言われたので、弓とか水魔法とかちょっと悩んだ。あとは風魔法とか探索魔法とかもいいかもしれないとおもった。探索魔法なんて薬草探したりするのに良さそうだし。

 だけど、今気づいてなくて欲しくなる能力が出るかもしれないので少し考えさせてもらうことに。


 その間にわんこの能力のインストールが終わったみたい。


 これで準備完了。

 いざ、ゆかん!!

 そう思ってふんすっと拳を握った私。


 だけど、観測者は何かを見てる。

 わんこ?


 わんこは寝ちゃってた。

 えー


 でも、私も少し眠い。身体に能力を詰め込まれたからかな?

 そう思って観測者の方を見ると


「身体に馴染むまで少し時間がかかるから寝ていってもいいよ」


 そう言って何やら毛布のようなものまで渡された。

 では、ありがたく、しばしの睡眠を。

 そう思ってわんこの横まで行った瞬間にそれは起こった。


 足下から光。私とわんこを包むように、二重円と複雑な模様の青白い光。


「まずい!そっちじゃない!」


 観測者がすごく焦った顔をして杖を取り出したのを見たのが最後。

 真っ白な部屋は急に暗転した。




 いや、暗転したのではなく、私は真っ白な世界から別な世界に呼ばれてしまったらしい。

 だって、目の前に深い森があるから。

 足下にはわんこが寝てる。

 私の手元には毛布。

 そして、私は途方に暮れた。




『…  … ・・ える? あー聞こえるかい?おーい、聞こえるかい』


 どこからか声が聞こえる。


『あ、聞こえたみたいだね。僕だよ。観測者。聞こえるね』


 聞こえるのは聞こえるけど、どこにいるんだろう。


『あーあれだよ、今、あなたの頭の中に直接話しかけてます、ってやつ。僕はまださっきの場所にいるんだけどね。ごめんね。アクシデント発生だよ。こんなことになると思ってなかった』


 彼が言うには彼の観測している別の世界で召喚魔法が使われて、私とわんこは彼が送りたかった世界とは別の世界に流されてしまったらしい。

 その世界も同じように魔素が充満していて、魔素が空っぽの私とわんこの体を欲していたとのこと。

 私が送られようとしていた世界だと2年で私の体に魔素が充満して帰れるはずだったけど、この世界だと5年はかかるらしい。

 貨幣価値も違うし、そもそも私に渡すはずの初期費用になるお金もまだもらっていない。

 世界の常識も全く違うらしい。

 一応冒険者ギルドがあるのは一緒とのこと。

 そして何よりもこの世界には能力レベルという概念がないらしい。

 能力を身につけるとその能力で使えるスキルがすべて解放される。ただ、ステータスがあって、魔力のステータスが低いと大きな魔法が使えなくてそれが一種のスキル限界になっているらしい。

 そして、私とわんこのステータスは非常に高い・・・らしい。


『やっぱり、よその世界から預かっている人に死なれると困るから、異世界人のステータスはとんでもなく高くしてあるんだよ。そして、この世界では能力解放されると多くのスキルを使えるようになる代わりに能力がなかなか身につかない。つまり、15個も能力を持っている君はこの世界では超人だね。そして君は・・・もうどうしようって感じだよ。この世界に行く人に全能力所有なんて認められないのに・・・』


 そう。私もチートらしいけど、わんこはもっともっとチートらしい。

 全能力保持。

 そして全スキル保持。

 わんこ、とんでもないな。

 スーパートイプー誕生。

 爆誕だ。


 少し遠い目をしてしまった私をどうか許して欲しい。


『今ならまだいけるかな?残り三つのポイントでこれあげるよ。これがないと厳しいと思う』


 私の体が光って、そして身についたのは 世界地図、隠蔽、探索魔法の能力。


『隠蔽スキルでとりあえず能力を5つだけ見えるようにしてあとは隠して。そうだね、水魔法、治癒魔法、槍術、異言語理解ぐらいは残しておかないと違和感があると思う。君もすぐ使うだろうから。あとは探索魔法かな。その5つぐらいを人前で使って、あとは隠蔽することをお勧めするよ。最後にこれ。どうか5年間生き抜いて』


 そういうと目の前に袋が落ちてきた。

 中身は食料と解体用のナイフと木の皿とコップ。そして毛布と見たことのないお金。あとろうそくと紙の束?

 その紙の束を手に持った瞬間、この世界の常識という膨大な知識が頭の中に入ってきた。


『再インストールは手動インストールなんだ。紙を触ると発動するよ。』


 というふざけた声とともに。

 思わず、それ手動じゃなくてトラップ発動型の自動インストール!!

 ウィルスか!

 って頭の中で突っ込んでしまった。


 ーーーーー

 このお話は忘れた頃に更新されます。

 長いお休みとかに更新される可能性がありますので、気長にお待ちください。

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子犬と一緒に転移したけど、子犬のほうがチートです! @nanami-7733

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