第3話 夢というご都合主義的世界説明
この世界は一つの大きな大陸といくつかの島国が知られている世界らしい。
大陸には大小多くの国があり、統一国家のようなものはないけれど、宗教的には一つの宗教を崇めている。
主神は地母神。それ以外に太陽神、月神、海神、山神の四神とほかにも時の神、空の神、癒やしの神、知識の神みたいな様々な神々と精霊王、焔霊、水霊、風霊、地霊といった神の意志を伝える数々の精霊がいる。
神の声が聞こえる神官、巫女は政治には関わることを禁じられていて、政治の基本は王制のようだ。
地母神はどの国でも崇められているけど、例えば医者の多い国では癒やしの神の神殿が多かったり、商業で発展している都市では知識の神や商業神の神殿が多かったり、地域や国によってそれぞれ特徴があるらしい。
観測者は元々知識の神の神官だったらしいけど、今は観測者として神の意志を伝える精霊に近い存在になった人?いや、人はもうやめたのか?そういう存在。
私が召喚される土地は、私が会社員だったことから、商業都市がよいだろうとのことだった。いや、商売やっているなら商業都市だろうけど、会社員で商業都市?あんまりピンとこないけど、商業が盛んなら暮らしやすそうではあるね。
商業都市オーリア。セレニア王国の第三の都市。治安は比較的よく、商業ギルドが発達している都市。
とはいえ、商会などに勤めるとなるとある程度信用のある人からの紹介状などが必要ならしく、私のような都市の外部から入ってきたものは最初のうちは信用を積むために冒険者ギルドで内向きの仕事を斡旋されるのがよいらしい。
異世界転移の典型だね。冒険者ギルドだなんて。
その冒険者ギルドはギルド自体が初心者の教育と称して監視も行うので、そこで仕事を何度か成功させると、商業ギルドに口をきいてもらえることもあるらしい。
私が生計を立てるのであれば、まずは冒険者として働くことになる。
冒険者ギルドで必要とされる能力は町の外に出る外向きの仕事なら戦闘能力、もしくは薬草に対する知識らしい。
残念なことに町の外には人を襲ってくる獣や魔獣がいるようで、町から一歩出るとそれほど平和ではない世界みたい。
一方で、町の中で仕事をする内向きの仕事となると荷物運びに必要な体力か掃除などの家事能力、あとはちょっとした算術ができるとよいらしい。
召喚された人は魔法をもっていないので、身体強化魔法などが使えないから、家事能力か算術があるようにするか、または思い切って外向きの仕事をできるような能力を身につけていかないといけないらしい。
私のように平和で特に戦う能力を持たないものが召喚された場合、多いに苦労するので、ある程度の能力は観測者の権限で付与してくれるんだって。
この世界の人たちは生まれたときに両親から一つずつ能力を受け継ぐ。
強い能力は子に引き継がれやすいらしく、特に有名なものだと、セレニア国王家に伝わる統治やカリスマといった能力があるらしい。
もちろん庶民だと算術とか商業とか裁縫とか料理とかそういった能力を引き継ぐこともある。
この両親から受け継ぐ最初の二つの能力を基礎能力といって、その後も5歳の時、10歳の時、15歳の時に能力をもらえるらしい。
この三つの追加能力はそれぞれの神様の神殿に行ってお祈りすると授けられることもあるらしく、癒やしの神殿や精霊王の神殿などには多くの5歳参りが行われるらしい。なので5歳以上になると何かしら魔法が使える人が多くて、この国では魔法を使えることが大前提でいろいろな仕組みができている。
また、基礎能力、追加能力以外に獲得能力と呼ばれる能力もあって、これは例えば剣術道場に行ったりすると剣術などの能力が生えてくることがあるらしい。
さらに、あまりにも多くの能力を身につけると「器用貧乏」というような称号がついて、多くの能力を手に入れるけど、大成しないこともあるという。
こうして、多くの人が10以上の能力を成人になるまでに身につける世界なので、私もいくつかの能力を持っていないと怪しまれるということらしい。
ほかにこの世界のお金(ギアというらしい)についての知識を得たり、生活基盤を整える知識(例えば家を借りたり、水場の水を得る方法や食料を得る方法、納税の仕組み。学校の仕組みなど)、生活習慣(靴は寝るときと風呂に入るとき以外は脱がないとか、トイレは魔石を使った分解式だとか、お風呂は家族でも男女別で家に二つ以上あるのが普通だとか)、様々な知識が頭の中に入ってきた。
あと大事なことでいうと、人間以外に獣人もいる。獣人は完全な獣形態と人型形態とその中間(けもみみ尻尾つき)の3形態をとることができる。
なので、わんこにお散歩ロープをつけていると虐待と勘違いされる懸念もあるとのこと。(首輪はアクセサリーとして好む人がいるので問題ないらしいけど)
うん、赤いロープはすぐにはずそう。帰るときには手に持っておいて、日本に戻ったらつければいいさ。
最後にさまざまな能力の説明があった。一般的に知られているものだけで多数の能力があるけど、いろいろややこしい。
例えば癒やしの神がくれる能力の治癒魔法はどちらかというと外傷を治すもの。病気の場合は光魔法の清浄を使う方がいいこともあるらしい。
清浄は体を清潔な状態にするとともに体内の菌のバランスを整えてくれるらしい。
また、薬をつくるには薬学が必要だけど、それは薬草をしっぷのように貼る場合で、飲み薬を作って瓶にいれるには錬金術の方がいいらしい。
だから、怪我をしたら癒やしの神の神殿に行って治癒魔法の能力を持っている人に治してもらい、病気かなと思ったら光の精霊神殿に行って清浄の能力を持っている人に治してもらう。
ちょっとした筋肉痛とか腰痛だと薬師のところにいくし、なんだかわからないけど体調が悪いというときは錬金術師のところに行って万能薬をもらうらしい。
あと、単に収納するだけの収納魔法は生活魔法になるけど、時間停止の必要な収納は時魔法が必要で、時魔法を使った対象物を収納魔法で収納すると、ファンタジーでおなじみのアイテムボックス的なことができるらしい。
こうやっていろいろと細分化されているから、能力が5つでもとても足りなくて、いろいろと一人前になろうとおもったら、能力は10個ぐらいは必要らしい(器用貧乏は能力が50以上とか・・・・)。
なので、私にも最低でも10個は能力を選んでほしいとのこと。もちろん20でも30でもいいけど、あまり多いと変に注目されるから適度な数にする方がいいとのこと。確かにこの世界の常識だと15個ぐらいかな。
どんな能力がいいんだろう・・・・
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