第25話 イヴェル夢に出てくる
その日、俺は夢を見た。真っ暗な世界の中に俺はいる。なんとなく
「イヴェル、いるんだろ。出てこいよ」
カマをかけるように俺はイヴェルの名を呼んだ。すると俺の前にぼやーっとした白い人影が姿を現す。ホントにいるんかい。
「よくわかったな。ペドラとの決闘見てたぜ? なかなかやるじゃねーか。楽しませてもらったわ」
うーん、白い影一色で表情が全くわからないんだが。
「そうかい。で、聞きたいんだが別に殺し合う必要はないらしいじゃないか。どういうつもりだよ」
「なんだそんなことか。俺は邪神だぞ。俺の目的は楽しむことだ。殺し合いを唆した方が面白いからに決まってるだろ。言わせんなよ恥ずかしい」
さすが邪神。自分勝手よのう。
「そ、そうなのか……。で、わざわざ俺の夢に出てきたのは何か用があるってことだよな?」
わざわざ夢の中に出てきたんだ。よっぽど大事なことだと思うよな。ま、イヴェルのことだから変な用件の可能性もあるが。
「まぁそうだな。これは俺の、というより商売の神アルキンドからの頼みなんだが、奴の使徒を殺してくれ。ま、自ずと戦うことになるかもしれんが」
楽しそうに笑いながら話すことか?
つかこいつ面白そうだから、ってのが行動原理なんだろうな。人同士の殺し合いが好きなのかもしれん。
それより気になるのは自ずと戦うことになるって言葉だな。それと、なんで商売の神が自分の使徒を殺して欲しがるんだよ。
「どういうことだよ」
「うーん、実はだな。アルキンドの奴も使徒を送り出したはいいが、これが飛んでもない奴でな。元は主婦だったらしいんだが、お前に分かり易い言葉で言うとキチママというやつだな」
「キチママが転生して無双してると?」
ニートだった俺が言うのもなんだが、害悪そのものじゃねーか。
「そうだ。なんでもアルキンドの奴がふざけて作ったらしいんだが、作ってから後悔したらしい。こんなのが自分の使徒だと自分の評判が下がるんだとよ。馬鹿だよな」
「能力取り上げろよ。つかふざけて使徒を作るなと」
「能力の取り上げは決まりでできねーんだよ。俺等のルールじゃこうして話すのが精一杯なのさ。ま、そんなわけで商売の神の使徒をぶっ殺してやってくれ」
あーはいはい。そいつをぶっ殺してまともな使徒を選び直したいわけね。随分と厄介な話になりそうだ。
「……そいつキチなんだろ? 関わりたくねぇ……」
「そのうち嫌でも関わることになるだろうよ。で、そんな君に俺からプレゼントだ。君がゲームで集めたアイテムの再現にようやく成功してな。バランスブレイカーなものが多いが、ゲームのキャラのステータスを新しいお前にする約束だったろ。ステータスってことはデータだ。当然所持品も含まれるべきだろ。だからリレイダールにある物で再現可能なものは全て再現してやったぞ」
俺のゲームアイテムが再現される?
うおおお、それは嬉しいな。俺は思わ拳を握りしめ、口元が緩んだ。
「マジか! 助かるぜ。これで俺は完全に無敵だわ」
「そうだろそうだろ。そのうち箱庭も再現してやるからな。そうだな、災厄の魔神を倒す頃にはできると思うぞ」
イヴェルもなんか楽しそうだな。自分の使徒が暴れまくるのを楽しんでいるのかもしれん。
「センキュー! って災厄の魔神って本当にいるんだな」
「ああいるぞ。なんたって元凶は俺だからな」
「うおい!」
聞き捨てならない一言に思わず突っ込む
。自演乙てやつかよ。
「だってその方が面白いじゃん? 今回のはとびっきりの災厄だから期待しててくれ」
何を期待しろと。ギリギリの戦いとかめんどくせーわ。俺はイキりたいだけで戦いたいわけじゃないぞ。
「なんの期待だよ。つかマッチポンプじゃねーか! 他の神はそのこと知ってるのかよ」
「知ってるぞ。そして同意済みだ。安心しろ、他の使徒には禁則事項ということでこれは絶対の秘密だからな」
笑って話すことじゃねーぞ。俺は思わず頭を抱えると、重大なことに気づく。
「他の使徒に知られたら俺むっちゃ敵視されるじゃねーか!」
全使徒から敵認定とか嫌だぞ。
「ふむ、話すのも面白そうだな」
「やめれ」
こいつならやりかねん。頼むからやめてくれ。
「冗談だ。禁則事項だと言ったろ? お前もこれは話すことができないからな。ま、せいぜい頑張れや。そして俺をもっと楽しませてくれよ? じゃあな」
それだけ話すと白い影はすーっと闇に溶けていった。そして朝が来る。
「寝起きだりー」
オレハムクリと身体を起こす。熟睡してたはずなのになんか疲れたな。俺の横にはルルナちゃんが寝ている。昨夜はヤりまくったからな。疲れたことだろう。ルルナちゃん達ロリペド族にはもう呪いはない。
だが成長が12歳で止まるのは種族的な特徴らしい。ペドラの話によると実際の寿命は人間と同程度。老け方は多少遅いそうだ。で、ルルナちゃんの年齢は俺より一つ上の17才。
つまり合法ロリオネェちゃんだ。精神年齢はともかく、肉体年齢的にな?
そこで俺は赤ちゃんプレイを頼んだんだが、見た目小学生をママと呼ぶ背徳感は麻薬のような味わいだったと言っておこう。ペドラ、お前が新しい嗜好に嵌った理由を俺は理解したぞ。
だがやはり俺は幼女が大好きだ。
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