第Ⅱ話 純白は浸かる
ココがどこだか分からない。僕は、やっぱり攫われた………
「失礼な小僧だ」
「!!」
「少しは礼儀を
「…………ぁ……」
「旦那ぁ〜! そんなこと言っちゃ駄目でしょーよ〜、多感な時期っすよ〜?」
糸目でローブを
「……リフー。この小僧に風呂を」
「は〜い! じゃ……行こっか!」
足を
◇
パシャア……、ゆっくりと温かい水が掛けられる。泡を落とされるとワシャワシャと真っ白なタオルで拭かれる。
「じゃあ上がったら教えてね、〝どんな〟声の大きさでもオッケーよ!」
バタン、とドアが閉まると水滴がタイルに落ちる音が響く。
………………意外だ。意外にもここは温かい場所だった。
「温かい水………………」
いや、お湯か。それでも、お湯なんて
「何年ぶりだろ……」
……でも、そんな水の感動よりあの人、目を瞑ると眼前にはローブが映った。
……よく分からなかった。顔も身体も、血色も匂いも気配も。全部、ぜんぶ判らなかった。
「……っ」
頭が、割れそうだ……。
急に
「だれ__か___」
――……………!!!
「____」
沈んだ意識の中で、もう一つの意識が浮き上がってくる。
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『お前は道具だよ、殺しに使う道具なのさ。殺すための道具なんだよ』
「……」
『黙って言われた通りに動けば良い』
「……」
『いいか勘違いするな!! アタシゃ殺し屋、お前はナイフ、俺が動けばお前は人間を傷付ける。アタシが動かなくてもお前は人間を傷付ける道具だよ!』
「……」
『返事はッ!!』
「………………はい」
そうだ。
誰か僕を人として、見てくれればいいなと、少し、ほんの少しだけ思っていた。
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__________________
「――!!」
…………
「――ん――く!!」
……
「じゅ・ん・ぱ・く!!!」
「……し」
「純白!!」
「…………じゅ、ん…」
「うん!」
「じゅん………ぱ、く……?」
「そうそう! ………良かったぁ……」
視界が安定すると、大きな耳を垂らしてため息を深く着く人が見えた。
安堵の息が僕に掛かる。
「……ぼく………」
「純白くん溺れちゃっててさ、アタシが飛び込まなければ……って」
そういえば、私が寝る前、金色の何かが飛び込んで来たような……。
「何か、じゃなくてキツネ、ね? キ・ツ・ネ!」
「……あぁ…………なるほ、ど…………」
あぁ………また意識が……もう、駄目だ
「ちょ、ちょっとー!?」
「……あ………がと……ぅ___」
そういえば、僕、裸、だったのかな。……別に良いか………どうでも。
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