チャプター3
次の日。
広場に集合したメンバーに向け、ミュカは昨日の作戦を説明をした。
攻略に向かう他の冒険者達は、進行度が最先端の7人をちらちらと見ながらダンジョンへと入っていく。
説明を終えると、ミュカは、
「どうでしょうか?」
とディグラットを見た。
彼が答える前に、ハティエルが言った。
「いいじゃん、減るものじゃないしやろうよ」
ディグラットは腕を組むと、
「俺はいつまでお前らとつるんでいればいいんだ?」
と返した。
「これで最後だよ。あとはエリアボスとフロアボスだし、ソロでどうぞ。でも、一緒にマッピングして良かったでしょ?だから、最後にこれだけは協力してよ」
「……わかった」
7人は北のレストシンボルにテレポートすると、海に向かって石の道が続いている場所へと移動した。これだけのメンバーがいるので移動自体はまったく危険がなかった。
海岸にディグラットとミュカが立ち、他のメンバーは少し後ろに立った。
ミュカは杖を構えると、
「ダッシュでキーを手に入れたら、さっきのレストシンボルにテレポートで集合ですよ。では、ディグラットさん、お願いします」
と言った。ディグラットも無言で両手で大きな剣を構えた。
「ショックウェーブ!」
ディグラットは剣を下に向けると、空に向かって勢いよく振り上げた。
その起動に伴って衝撃波が海に向かって飛び出すと、水しぶきをあげながら遠くまで海の水を吹き飛ばした。
ボルトラが、
「すげぇ……」
とつぶやくと同時に、ミュカが
「ディープブリザード!」
と魔法を唱えた。
50メートルほど先に台座が見えた。それを見たハティエルが大声をあげた。
「急いで!」
その声をトリガーに、台座めがけて7人は走り出した。
ピシピシと氷の割れていく音にヒヤヒヤしながら、それぞれが台座に手をかざし、テレポートで消えていった。
レストシンボルでは息を切らせている7人がいた。全員無事にキーの入手ができたようだった。
ディグラットは、
「では、俺は行く」
と言った。
ミュカが、
「助かりました。ありがとうございます」
と返すと、彼は右手をあげて消えていった。
「さてと……」
ハティエルは他の5人を見渡した。ジュナがさっと視線をそらしたのを、ハティエルは見逃さなかった。
「次はエリアボスだけど、どうする?何が出てくるかは、当然わからない」
ジュナは恐る恐る右手をあげた。
「ボクは遠慮したい。何度も言うけど、無理だよ。ボクはこのまま冒険者のサポートに回りたい」
エリシアは言った。
「いいと思いますー。地下3層をマッピングした経験は生きると思いますし、実力がついたら改めて挑んだっていいんですー。好奇心で挑んで、死んでしまったら元も子もないですし」
「となると、2人と3人に分かれることになるかな?タンク無しの方を3人にするといいと思うから、私とラシッド……もしくはミュカかな?」
ボルトラは言った。
「一応聞いておくけど、ソロでやりたいやつはいるか?もちろん、俺はごめんだが」
「却下ですー」
「だよな」
ボルトラは両手を返して息を吐いた。
すると、ラシッドが遠慮がちに言った。
「実は、辞退したいと考えている」
エリシアは驚いた。
「えっ?ラシッドがですか?」
「ああ。仮にフロアボスを倒せたとしても、地下4層を進む自信がない。なら、他の4人でいってくれ。地下4層はここ以上に情報がないんだ」
ハティエルは言った。
「地下4層は『圧力の森』だね」
「そうなんですかー?」
「どうして知っている?」
「初日の講習でギルドに聞いたんだよ。記録があるのは名前だけで、どんな場所かはわからないけどね」
ラシッドはため息をついた。
「それを聞いて決めた。おりるよ。初日にそんな先まで見ていた冒険者と、心構えがまるで違うようだ」
「残念ですけど、しょうがないですねー。命をかける戦いを無理強いはできないですー。ここまで楽しかったですよ、ラシッド」
「ああ、死んだモーラの分も頑張ってくれ」
「それはお互い様ですよー」
ジュナはしばらく地下2層でサポートすると言った。色々なところをうろついて、困っている冒険者を見つけると。
それをハティエルがとめた。行くべきのは地下1層だと。
「むしろギルドかなって思う。新しく登録した冒険者、仲間がいないままソロで挑んじゃう人が結構いそうなんだよ。ジュナもラシッドも回復魔法が使えるし、そんな冒険者のメンバーが増えるまで修行を支援してあげるのもいいんじゃないかって思うんだ。地下3層で私達がラシッドに支援を受けたみたいな感じで」
ジュナはなるほどなと思いながら、
「どうしてハティはそんなこと知っているの?」
と訪ねた。
「昨日、ケバブ食べてたら新人の冒険者に話しかけられたんだよ」
「お前、いつもそれ食ってるな」
「ホットドッグのときだってあるよ!いや、あっ、で、その人がソロだったんだけど、もしかしたらそんな人って多いんじゃないかなって思ってさ。ギルドがいらないって言えば、元々の予定で行動すればいいと思う」
「ありがとう、ボクたちが役に立てることがあるかどうか、一度ギルドに行って聞いてみるよ」
ジュナとラシッドは手をふると、地上に戻っていった。
見送りながらハティエルはふと思った。ここから先は自分を入れてミュカ、エリシア、ボルトラの4人で行動をしなければならないと。
一人でも失うと、終わりだ。
ハティエルがそんなことを考えていると、真面目な顔でボルトラが言った。
「このメンバーで地下4層を目指すんだよな。新生ボルトラファミリーと言ったところか」
「却下ですー!」
「名前あったほうがいいだろ?」
「だとしても、それは却下ですー!」
「ごめんなさい、でもそれは……」
くだらない話を無視し、ハティエルは考えた。
地下2層でも3層でも死人やギブアップが出ており、初期のメンバーとは変わっていったが、この先は補充が一切効かない。補充したくてもフロアに向かうことができないため、ずっとこの4人で行動していかなければならなかった。
残り3フロアが今までよりもぬるいということは考えられないし、ギルドに名前しか記録がない場所に急に迎える冒険者が増えるとはとても考えられなかったし、フロアもすぐ横に台座があって目の前にフロアボスがあるような作りには絶対になっていないだろう。
自分はメンバーを守るタンクであるため、100歩譲って自分が守ることで戦闘はどうにかなったとする。それでも、環境的な問題など他の問題で折れてギブアップするメンバーが出ないとは限らなかった。
幸運なことに、天使である自分は死ぬことがないため、メンバーを逃してテレポートさせるという逃げ方は可能だった。ただ、それをやるためには自分が天使であることを伝えなければならない。
それはカミングアウトしていいものなのかと考える。アリムにはなにも言われていない気がするが、言ってもいいものなのか、言ってはいけないことが当たり前だから口に出していないだけなのかはわからなかった。
仮に地下4層まできたパーティーがいたとする。それは『パーティー』であって一人ではない。そこから人を引き抜くわけにはいかないだろうし、自分が抜けてそこに行くこともできないだろう。
ボス戦の再戦ができないという仕組みが、非常にやっかいだった。
そしてもう一つ、大天使の試験はいつまで時間を使っていいのかということだ。メンバーを失ったとしても10年ぐらい待てばチャンスがくるかもしれない。
これもアリムには何も言われていない。すぐに魔王を倒して当然なのかもしれないし、100年かけてもいいのかもしれないが、わからない。
ハティエルには今、考えなければならないことが多すぎた。
そう思っているとボルトラが言った。
「で、どうする?このまま南のエリアボス、行くか?レストシンボルのすぐそばだから時間はあるぞ」
「そうですねー。行っちゃいましょうか?」
ハティエルは首を横に振った。
「いや、明日にしようよ」
「どうしてですかー?」
ハティエルは脳を高速回転させ、それっぽく言い訳をした。
「レストシンボルに近いっていうのが逆に怖いんだよ。今まではレストシンボルから歩いてボスに向かったでしょ?歩く時間も体力も使ったんだ。それがないっていうことは、そのぶん強いって意味じゃない?」
「俺たちも十分強くなったぞ」
「うん、でも、1日待って欲しいんだ」
ミュカは言った。
「いいんじゃないでしょうか?ハティちゃんはこう見えても言うことはしっかりしていますし、頼りになります」
それを聞いたボルトラは首をかしげた。
「こう見えてもって、ミュカはなにを言っているんだ?」
「えっ?」
「ハティは17歳だし、お前よりひとつ年上だぞ?俺もジュナに聞いて驚いたが、そうなんだ」
「ええっ?」
ミュカは目が点になり、ハティエルの顔を見た。
「あれ?ミュカは知らなかったっけ?色々言い過ぎて、もう誰に説明したかも忘れちゃったよ」
「ええと……じゃあ、その、ハティ……さん?がそういうならボスは明日で……」
「別に今のままでもいいよ」
「は、はい」
エリシアは笑顔でハティエルの背中をバンバン叩きながら言った。
「なら、お酒飲めるじゃないですかー。今夜は酒場に行きましょう!」
「エリシアさん、17歳は飲めません!」
-※-
部屋に戻ったハティエルは、ソファーにどかっと腰をおろした。
カフェで買ってきたアイスレモンティーをソファーの前の小さなテーブルに置くと、あーと声を出して息を吐いた。
ディグラットはいないものとし、メンバーの替えが効かない以上、死者を出さない、ギブアップを出さないということは絶対だった。
一番恐れているのはしじまにやられたように、地下4層の環境的な問題でフロアに降りた瞬間にやられることだ。何があるかわからないため、対策が一切取れない。
結局、情報がない以上、考えてもしかたが無いという結論になった。
ハティエルはぬるくなったアイスレモンティーを飲むと、まずは目先のエリアボスとフロアボスに集中し、『圧力の森』はまず見ないと始まらず、見てから考えようと思った。
天使であることをみんなに告げるかどうかは、その先の話だ。
-※-
その、正八角形の部屋は南のレストシンボルから見ることができた。
周囲は砂浜で海岸沿いにあるそれは、15分程歩くとたどり着くことができる。
エリシアは少し興奮しながら、
「では、行きましょう!」
と元気に声をあげた。
頷いた他の3人とともに台座に手をかざし、部屋に入った。
魔法陣から出てきたのは、赤く鮮やかな殻を持つ、大きなヤドカリのような生き物で、自分の体長ほどもある2本のハサミを持っていた。これも殻と同じ真っ赤なものだ。
『ルビーハーミット』である。
「硬そうですねー」
そう言いながらミュカの支援を受けたエリシアは、ルビーハーミットに向かって飛び出した。
大きなハサミに向かって拳を振ると、重い音とともにぶつかった。バグナウの先端が突き刺さり、ハサミに穴が開くが、目に見えるダメージはなかった。
ハサミは固かった。エリシアはそこから引き裂く力は持っておらず、ハサミを足場に後方へと飛ぶことにした。
もう片方のハサミにはボルトラが鉾を突き刺していた。こちらも穴をあけることはできるが、大きなダメージは入っていなかった。
ただ、まったく効かないわけではなさそうだった。この調子でダメージを入れていけば、倒せる感触はあった。
ルビーハーミットは体を回転させるようにハサミを振り回すと、エリシアとボルトラを狙った。これは、余裕を持って避けることができた。
ターゲットを自分に向けるべく、ハティエルはあえて盾で回転を受け止めた。
飛び上がって顔に向けて剣を数度、切る。
エリシアとボルトラはハティエルに攻撃を集めるために少し様子を見ることにした。ハティエルは直撃を受けずに攻防を繰り広げている。
そこへ、ミュカが声をあげた。
「ギガ・ボルト!」
ルビーハーミットの体を稲妻が直撃した。
体からブスブスと湯気が出ており、明らかに嫌がっているのがわかる。
ミュカはエリシアとは違い、見違える効果を見てテンションがあがった。魔法を連打すると、ハティエルが声をあげた。
「ダメっ!」
その言葉通り、ルビーハーミットは怒りながらミュカに突進した、
しかし、ミュカは笑顔で詠唱をすると、
「バインド!」
と魔法を唱えた。この魔法でデザートブリンガーを足止めして倒したという自信があった。
が、ルビーハーミットは何事も無かったかのようにハサミを振り上げた。
横から飛び出したエリシアがミュカの腹を思い切り蹴飛ばし、壁に激突させた。強引だったが、ハサミは空を切った。
ミュカは腹を押さえながらヨロヨロと立ち上がろうとしているが、ハサミの直撃を食らうよりましかと感じていた。
そこにハティエルがカバーに入り、後方のミュカを回復させてやる。
ルビーハーミットはハティエルに向かうべく、せわしなく足を動かして体を回転させていく。ミュカの攻撃はかなりのダメージにはなっていたようで、動きは遅くなっている。
ボルトラはさっと飛び出すと、鉾の斧の部分でルビーハーミットの右腕を切断した。ハッとしたハティエルは左腕に剣を振り上げると、もう一本の腕は彼女でも切断できた。
最後に、顔めがけて飛び上がったエリシアが左右の拳で連打すると、ルビーハーミットは蒸発し、消えた。
そこには赤い腕輪が落ちていた。
エリシアは拾うと、指でくるくると回しながら、
「キーを取りましょう!」
と言った。
「ミュカは無茶しすぎだったよ」
「ごめんなさい、調子に乗りました」
「結果オーライですー。あの雷で柔らかくなりましたし、オッケーですー。この特性はあとでギルドに報告しましょう」
台座に向かうと、落ちたアイテムは『火の精の腕輪』というもので、つけた者のパワーを上げてくれるらしい。ボルトラかエリシアが適切だが、エリシアが譲ったのでボルトラが受け取った。
左腕にはめると隙間があったが、縮まってフィットした。
4人はキーを受け取ると、部屋を出た。
「次はいよいよフロアボスですよー。長かったですねー」
「マッピング、大変だったもんね」
エリシアは両手を振った。
「それもそうですけど、私はハティエルちゃんたちよりもずっと前からここにいるんですー」
「あー、そうだったね。このまま私達がフロアボスを倒せれば、地下3層の地図も配れるようになるし、頑張ろう」
「そうですねー」
「で、どうする?ミュカはダメージ入ったし、1日オフにするか?」
ミュカは腹を押さえた。
「エリシアさんの蹴り、物凄く効きました」
「あっ、あれは仕方がなかったんですよー」
わかっていますと、ミュカは微笑んだ。
そして、痛みは残ったが、回復魔法の効果でダメージは問題は無いので、フロアボスには明日挑むことに決めた。
ミュカはモチベーションが高く、早く地下4層に向かいたいという気持ちもあった。自分が攻撃魔法を覚えたということもあるが、ギルドには『圧力の森』という名前だけは記録があるが、現存の冒険者でそこにたどり着いたものはいないというのが大きかった。
これはボルトラも同じだったため、力強く頷いた。
-※-
次の日、レストシンボルにテレポートした4人は、東に向かって歩き始めた。
しばらく歩くと中央の島に向かって伸びている長い橋があった。島にフロアボスの部屋がある。
4人は慣れた手付きで台座に手をかざし、なかに入った。
姿を現したのは、2本のツノを持ち、大きな羽を持つ黒い悪魔だった。長い尻尾もある。『グレーターデーモン』である。
「悪魔タイプですねー」
そう言いながら、エリシアはバグナウを構えた。ボルトラとミュカも続いた。
ハティエルは剣を抜きながら、
「へー、あれが悪魔なんだ」
と言った。
地上では天使と悪魔はついになったもので、争いをしたりするものとして描かれている。一方、楽園にはそういうものは無い。天使はただ天使として存在しており、ついになるものは何もない。
グレーターデーモンが右手をあげたのを見たハティエルは、一歩前に飛び出した。声をあげてミュカを呼ぶと、盾を構えた。
察したミュカはシールドの魔法を展開する。
グレーターデーモンの手のひらから灼熱の炎が飛び出すと、物理攻撃用の盾だったハティエルでは、1人で支えるのには厳しく、ミュカのシールドが助かった。
隙を見て攻撃に転じようとしたハティエルたちだったが、グレーターデーモンも第2撃が早すぎた。
ミュカは思考を変え、シールドではなく、水の魔法で相殺しようと考えた。だが、グレーターデーモンの炎のほうが威力が高く、思うようにできない。
ボルトラとエリシアが両サイドに飛び出し、左右から攻撃を仕掛けてみる。グレーターデーモンは動きの早いエリシアの体を右手で鷲掴みにすると、地面に叩きつけた。
うめき声とともに、ダメージを負ったエリシアは、なんとかミュカのもとに逃げることができた。ミュカはすぐに回復魔法をかける。
ボルトラの一撃はグレーターデーモンの左腕に亀裂を入れた。ルビーハーミットよりも楽にダメージは入るようだ。
ハティエルも剣を魔法の光のオーラで包むと、追撃をする。グレーターデーモンは光に弱いらしく、この一撃が嫌そうだった。
だが、グレーターデーモンは強く、攻撃は簡単にはじかれてしまう。誰かがダメージを負い、他の2人が傷をつけるという形だ。
数回それを繰り返すと、ハティエルは声を上げた。
「私に続いて!」
ハティエルがまず、盾で受け止める。
その隙に他の2人が攻撃をする。ハティエルが防げれば、ミュカも攻撃に移れる。
しかし、そのコンビネーションはうまくいかなかった。グレーターデーモンはハティエルに対しては魔法でカウンターを仕掛けてくる。動きの早い重戦士であれば、避けるという選択肢があるが、ハティエルには難しかった。
それでも、ハティエルは必死の形相で前に出た。熱で焦がされながらも、盾が熱くて持つのがつらくても、攻撃を受け止めるのは自分の役割だと言わんばかりに、回復魔法を使いながら耐えた。
そんなハティエルの表情を見て、ボルトラたちはやめろとは言えなかった。自分たちがやらなければいけないことは、ハティエルが力尽きる前に敵を倒すことだった。
やがて、大声をあげたボルトラの一撃が、グレーターデーモンの尻尾を切断した。
声にもならない叫び声をあげたグレーターデーモンは、両手を上げて何かを詠唱し始めた。
その瞬間、ハティエルたちの攻撃とミュカの光魔法が一斉にぶつかり、グレーターデーモンの腹を突き破った。
グレーターデーモンは蒸発しながら消えていった。
カランカランと、剣が落ちた。
ミュカはすぐにハティエルのもとにかけより、両手を掴んだ。魔法を盾で受け続けたたけ、焼けるように熱かった。
回復魔法をかけながら、
「やりすぎだよ、ハティちゃん」
と言った。
「タンクだからね。そりゃ、頑張るよ」
「でも、助かりました。ものすごい根性で、驚いちゃいました」
そう言いながら、ミュカは右手で胸を押さえた。
苦しいわけではなかった。地下4層に初めてたどり着くという現実に、ドキドキしていた。
「そうですねー。本当にお見事でしたー」
「ほら、ハティ、これはお前の剣だぞ」
ボルトラは剣を拾い、ハティエルに渡した。そんなボルトラの心臓も、音が聞こえるのではないかというぐらいにドキドキしていた。
台座の説明を読むと、『デーモンスレイヤー』という武器で、悪魔に対して威力が上がる剣とのことだった。
これは今後、グレーターデーモンのような魔物が出てきたときに役に立つということだった。地下4層以降では、ああいうものがどんどんでてくるのだろう。
そして、4人は目を合わせて頷くと、恐る恐る台座に触れてテレポートした。
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