第4話 教えて先生
古川よしえ先生。それは美術部の顧問であり、担当教科は国語であった。うちの高校には美術の先生はいない、なぜならカリキュラムに含まれていないからだ、というと語弊がある正確にはあったが幾度かの話し合いの末何年か前にカリキュラムから消えた、だからいまだに美術室だけはどっこい設置されているということだ。
先生曰く楽そうだから美術部顧問をもぎ取ったらしい。
先生は美術部の顧問の時もそうだったらしいがよく色仕掛けをする。本当によくする。なんなら我々美術部のメンバーにもたまにする男女構わず。
単純に胸を押し当ててくるとか、不自然にならないくらいに近づいてくるとかはまだ良い方で、俺が体験した中で一番過激だったのは背中から抱きつかれるというものだった。
素直に頼めばそれ相応に俺たちも手を貸すことはやぶさかでは無いけれど先生はそういう素直な部分に難があるため、割とところ構わず性的な部分を使って物事を進めようとしてしまう。
前述した通り先生は男女問わず色仕掛けをする。彼女曰く「流石に20代後半の女性とかになってくると通じなくなるのだけど、あと第二次性徴期迎えてないガキね、それ以外の人間だったら私は堕とせるわ。だからあんまり先生を舐めない事」ちなみにコレを部活に入った初日に言われた。正直めちゃくちゃスベッていた。
あの石見部長ですら、時々先生に骨抜きにされて廊下に転がっていたりするので男女関係ないのは本当なのだろう。この年で欲求不満って救いようがないなって思ってもいる。
色仕掛けをしてくるくらいなので先生は顔は悪く無い、どころかかなり美人な方だと思う。切り揃えられたショートボブに8等身、170センチのスタイルと抜群のプロポーションで、実家が厳格だった事もあり言葉遣いもちゃんとした場では分別ある振りもできるし礼儀と学歴にかけては他の先生と比べても頭ひとつ抜けていると感じる。だが厳格な家に産まれた反動か知らないけれど気を抜いている時、それこそ俺たちとの合宿中は言葉遣いがすごく悪くなる。それもギャップなんかな、どうなんだろでも憎めない先生だ。さっさと男作れば良いのにと思っているのだが先生は見る目が腐っているので当分は無理だろう。
そして現在、引っ張り出してきた鉄板の上で肉をいい感じに焼いている。仕切りにひっくり返して焼き加減を確認してよく位置を変えているため、肉に火が通っている部分と通っていない部分ができてしまっている。最悪だ。変わってくんないかなぁ
「ダメよ、火は危ないんだもの。任せてちょうだい先生、料亭でバイトしてたことあるんだから」
無駄に様になるエプロン姿でノリノリ楽しく料理をしているので俺は変わってもらうのを諦め野菜を切っているゆめの手伝いをする事にした。
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