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>再会のまなざしひたと鷹渡る
見せられし昔の手紙いわし雲
オフにする位置情報や捨てあふぎ
いま会へば泣きさうだから天の川
(主に上2句などのイメージを、短編小説風に書いてみた↓)
鰯雲と鷹が飛ぶ空を見ていると、思い出の幼馴染に再会した。
もう既婚者で子持ちらしいが、長年の近況報告を兼ねて、町を歩くことに。
僕の家で紅茶を飲み、昔のラブレターを発掘されたり(相変わらず容赦ないな!)
秋の草や鹿のいる田舎道をあるき、行き交う老婦人と挨拶したり。
昔、僕らが付き合っていた頃のデートスポット(池の桟橋)を歩き、大きな鯉に驚く。
市道や印刷所のくたびれた様子に、時の流れは残酷だと思う。
秋祭りで初々しいカップルの姿を見て「付き合い始めの頃の僕ら」を思い出した。
あの後僕は、何人かの女性と付き合ったが、長続きしなかった。
君の影を、無意識に追いかけていたのかも。
稲光に驚き、神社の軒下に入る。
もうすぐ、別れのときだ。
名月を見ながら、お互いに句を贈り合う。
あの頃の僕らも、歌詠みバトルをしていた・・・そう、文学によって関係が繋がれていたんだ。
涙をのんで別れ、位置情報を消す。
あの頃の君は、僕が迷子になるたび、必ず駆けつけてくれた。
でも今の君には、愛する夫と子供がいる。もうあの日々には帰れない。
君の心からも現在位置からも、僕の影をそっと消し去ろう。
上を向いて、天の川を見て帰ろう。
涙がこぼれないように。君を繋ぎ止められなかった、後悔の涙が。
(短編END)
作者からの返信
殉教@公共の不利益さん、うわあ、個性的なすばらしい才能ですね~。
ここまで深く詠んでくださる方、関連書籍でも見たことがありません。
拙句がもとになっていることも忘れて、一心に詠み耽っておりました。
文藝の新しいジャンルが誕生するかもです、短詩型発の鑑賞創作。
いつもに増して本当にありがとうございます。(´艸`*)
ティーカップで、世界を分ける。
思いつきそうで、思いつかない。
そういう物の見方が出来る方を本当に羨ましいと思いました。
いつか、そうなりたいです。
僕には、ちょっと遠いですが……。
今回も素晴らしい俳句の数々でした。
印刷の不具合をヤレと呼ぶのですね。
初めて知りました。
作者からの返信
@ramia294さん、おやさしい励ましをありがとうございます。
いつも自信がないので(あるわけないですけど(^^;)とても元気が出ます。
貴作へのご訪問が遅れたこと、どうしてか考えてみたのですが、ちょうど三連載を一本化したところで、何人かの方が一気読みしてくださったので、運営さんからの通知がいっぱいになっていたのだと思います。
言い訳めいて恐縮ですが、いよいよ認知症かと気が塞いだので。( ;∀;)
さやかな風を感じました。
作者からの返信
西しまこさん、風を感じてくださってありがとうございます。