第2話 成田出発 修正版
※この小説は「フロリダへ行こう」の修正版です。実は、パソコンの操作ミスで編集中に保存できなくなり、新しいページで再開した次第です。文言や表現を一部修正しております。もう一度読み直していただければと思います。
トラベル小説
昼前に埼玉の自宅を出発。荷物が多いので、自家用車で移動。大きいスーツケースが2つ。子どもたちが使うキッズスーツケースが2つ。これだけでクルマのトランクはいっぱいだ。これ以外に機内持ち込み用のリュックやバッグが4つ。これは後部座席のすき間に入れた。キッズシートを2つつけているので、SUVカーでも狭く感じる。
昼前にでたのは、余裕をもって成田空港に着きたいからだ。飛行機は16時45分発。2時間前にはチェックインしたいので、14時ごろには空港近くの駐車場にいれたい。それで昼食は空港近くの回転寿司屋に行くことにした。
「さぁ、しばらくお寿司たべられなくなるからな。いっぱい食べろよ」
と言うと、長男の圭祐が
「回転寿司は食べても10枚が限度。たまには高級すし店に連れていけよ」
とかわいくないことを言う。ネクラ体質はこういうところにも出てくる。
それでも、食べるのはたまごやきとか、のりまきといった子ども向けのものばかり。基本、魚がきらいなのだ。一番の好物はカルビ寿司である。
14時に予約していた駐車場に到着。クルマのチェックをして料金を払う。16日間預けて1万円弱。1日600円程度は手ごろな値段だ。そして送迎バスで空港へ。航空会社のカウンター前に2時間前に着いた。アメリカ系の航空会社だが、対応は日本人なのでさほど問題はない。問題は行列の長さだけである。なんだかんだで1時間かかった。次にレンタルWifiを受け取る。これでどこでもネットが使える。最後に旅行保険に加入して、保安検査場へ。ここで祐実の荷物がひっかかった。リュックの中に金属製品があるということで探知機が反応したのだ。待っている人たちが大勢いるのに、娘のリュックの中にあるもの全てがオープンになった。係官は、
「すみませんねー。これも規則なので・・」
ということで、結局、金属製のおもちゃということがわかり、またリュックに積み直し、出発ロビーに着いたら、もう搭乗が始まっていた。エコノミーは時間がかかるので、3時間前には来るべきだった。
飛行機の座席は横9列になっている。3:3:3の並びだ。それでCDEFの席を予約していた。国際線は雲の上や海の上を飛ぶので、窓際を選択する意味は少ない。初めて飛行機に乗ったのは冬に北海道へのスキーに行った時で、その時は地図そっくりの景色が眼下にあった。だが、ヨーロッパに行った時は、着陸の時しか景色は見えなかった。それよりはトイレに行ったりするための通路側の方がいいと思っている。
そこで通路側のCに私が座り、通路をはさんでDに圭祐、中央のEに祐実、そして反対側の通路席のFに妻のひとみがすわることにした。だが、座ってみてガックリ。
「せまー!」
と思わず声をあげてしまった。お尻の大きさとほぼ同じ。妻のひとみも微妙な顔をしている。今までビジネスクラスにしか乗っていないので、エコノミーがこんなに狭いというのは実感としてなかったのだ。国内線は同じシートだが1時間程度しか乗らないので気にならなかった。でも、このシートに18時間も乗るのかと思うと苦痛にしか感じなかった。それとアメリカの航空会社だからなのか、シートが高く感じる。妻も小柄なのでシートの奥まで座ると足が浮いてしまう。フットレストまでも足が届かない。でも、これには秘密兵器を用意している。元々は子どもたち用なのだが、自分たちも使えると思って用意しておいた。だが、離陸時は使えないので、しばらくは足をぶらぶらだ。
乗客全員が座り、保安の説明が始まった。787はシートの裏にモニターがついている。ヘッドホンをかけて日本語を選択すると、吹替で説明される。アニメ風でおもしろい。でも、乗客の中にはヘッドホンをかけていない人がいる。飛行機に慣れているのだろうが、いかがなものであろうか。と思う。子どもたちは一応ヘッドホンをしているが、おそらく理解していないと思う。ただのアニメ風の画像としか見ていないのだろう。
17時15分いよいよ離陸。18時間の飛行機旅が始まる。ダッシュの鋭さとフワッと浮く感じは飛行機独特の感覚だ。私は気圧の変化に弱いので、離陸と着陸の時はキャンディをなめている。日系だと機内サービスでもらえるが、アメリカ系はでないということを聞いていたので、今回は自前のキャンディ持参だ。
水平飛行に入った。ここから秘密兵器が使える。テーブルを引き出し、そこに足のせ用のロープをひっかけるのだ。大人はぶらぶらがなくなり、足が少し楽になる。子どもたちは足を伸ばす状態になるので、なかばリクライニング状態になっている。
18時、機内食の時間となった。ワンプレートででてきた。ビジネスのフルコースとはまるで違う。自分でナイフやフォークを袋からだしてセッティングしなければならない。まるでセルフサービスのビュッフェみたいだ。子どもたちはキッズプレートだが、圭祐はマヨラーなので
「マヨネーズがないよ」
と声をあげている。そこで圭祐のリュックのポケットからマヨネーズのボトルをだしてあげた。これも液体物なので、規定の100ml以内で申告済みである。実は私もソイソーサーなので、醤油のミニペットを持ち込んでいる。これも100ml以内である。妻のひとみは化粧水などの液体を持ち込んでいるが、100mlを越えている。それで祐実のリュックにいれてある分もある。
機内食のメニューはプルコギであった。アメリカの航空会社にとっては、日本も韓国も同じなのかもしれない。でも、作っているのは日本人だから味は悪くない。食事を終えたあたりで、機長のアナウンスが入った。
「 International date line 」
という単語が聞こえたので、圭祐に
「昨日にもどったぞ」
と言うと
「この飛行機はタイムマシーンか?」
と聞いてくる。それでスマホで世界地図を示して一番東側にきたので、時間と逆になっていると説明したが、圭祐は納得していないようだった。6才の子どもに日付変更線をわかりやすく説明できる人がいたら教えてもらいたいものだ。
機内モニターのプログラムはお世辞にも日本人向きとはいえない。あることはあるのだが、選択肢は少ない。子どもたちは英語のアニメを見ている。12月まではフランス語の幼稚園に通っていたので、外国語には違和感がないというか、日本語を充分理解していないからアニメの動きだけでいいのかもしれない。
私は数独のプログラムを見つけたので、しばらくそれをしていた。すると頭を使ったので、眠たくなってしまった。本当は時差ボケにならないためには寝ない方がいいのだが、昨日も準備で寝不足だったので睡魔に勝てなかった。
目を覚ましたのは機内が明るくなってからである。後2時間で乗り換えのアトランタに到着である。
日本時間午前3時。現地時間13時である。乗り換えに2時間30分の余裕がある。入国の手続きに1時間30分かかると言われているので余裕があると思ったが、なんやかんやと手続きがかかった。特に子どもたちの申告がややこしかった。パスポートや指紋のスキャンをして、個人情報を入力して、そのレシートを係官に提示する。その後、ボックスみたいなレントゲン装置の中に入る。両手を上にあげて立たなければならない。まるでCTスキャンの立ちバージョンである。そこでひっかかった。元に戻され、ポケットを指さされた。そこにキャンディが2粒残っていた。国内線用に残しておいたものだ。キャンディがひっかかるとは思っていなかった。それが取り上げられ、再検査。今度は通過できた。私より前に通過していた家族からはすごく心配された。それからスーツケースのピックアップだ。国内線の飛行機は別会社なので、ここで受け取り、また預けなければならない。ということで、2時間以上かかって国内線のオーランド行きのゲートにやってきた。ところが「 Delay 」(遅延)の表示。なぜかはわからない。出発時刻になってもその表示は消えない。どうやら機内トラブルのようだ。ロビーで待つしかなかった。子どもたちは長椅子でグターとしている。30分すぎて搭乗の案内がでた。ロビー内に歓声と拍手がひびきわたる。アメリカ人は表現が豊かだ。日本人なら静かに移動するだけだと思う。
国内線の飛行機は横6席なので、通路をはさんで私と妻が乗り、右の窓際に圭祐、中央に祐実が座った。2時間のフライトである。
日本時間午前10時。アメリカ時間午後8時である。少し寝たとはいえ、眠い。CAさんは男性と女性の2人だ。その女性はすごく体格がいい。アメリカでは、こういう人でもCAができるんだなと、ある意味感心してしまった。そのCAさんが通路を歩いている時は、だれもすれ違いができないのだ。
アメリカ時間午後10時。予定より30分遅れてオーランド空港に着いた。国内線なので、手続きはなし。荷物を受け取るだけで終了。ただ、バスターミナルまでが長い。眠気がおそってきているので、やたら長く感じる。バスは11時30分発だ。これに遅れると1時間待たなければならない。それも空席があればだ。バカンス時期ではないので、満員の心配はないと思うが、子どもたちのトイレがやたら長く感じる。
バスターミナルに11時20分に着いた。ぎりぎりセーフだった。バスはほぼ満員。ディズニーワールド内のホテルをめぐるので、利用者は多い。遅れなくてよかった。30分ほどでディズニーワールドに到着。しかし、ホテルはコスパ優先のファミリータイプのカジュアルホテルなので、ディズニーワールドのもっとも奥にある。終点であった。わが家以外に10人ほどが降りた。
12時30分、チェックイン。予約票をもっていたので、手続きはスムーズだ。ひとりひとり腕につけるリストバンドを渡される。これひとつで部屋の鍵にもなり、ディズニーワールド内の会計も全て済むという。保証ということで、クレジットカードの登録が求められ、VISAを提示した。日本発行のカードだが何の問題もなかった。ヨーロッパにいた時に、日本発行のカードが利用できないことがあった。無人のガソリンスタンドで給油できなくて、その際は隣町の有人ガソリンスタンドで給油できたが、あやうくガス欠になるところだった。
ホテルの敷地は広く、5つぐらいの建物がある。まるで埼玉にある郊外の団地と同じだ。真っ暗のプールを脇に見て、ディズニーのキャラクターが描かれている建物に入った。部屋は204号室。荷物が多いので、エレベーターを使ったが、階段がすぐ近くにある。いざという時には逃げやすいところだ。
部屋に入ったのは午前1時になっていた。子どもたちはすぐにベッドイン。セミダブルベッドが2つある。男ベッドと女ベッドに分けた。でも、寝る前にやることがあった。渡されたリストバンドのチェックである。4つのリストバンドが使えるかどうかを確かめると、1つが作動しなかった。ヨーロッパのホテルでも似たようなことがあったので、確かめてよかった。眠くて仕方がなかったが、朝になるとフロントのスタッフが代わってしまう。それよりは今のうちが話が通じるだろうということで、一人でフロントにもどる。すると先ほど対応してくれた女性がまだいた。
「 Ttouble 」(トラブル)
と言うと、新しいリストバンドに換えてくれた。部屋にもどって、確認すると使えることがわかり、やっとベッドに入ることができた。圭祐がベッドの真ん中で寝ていて、起こさないように潜り込むのに苦労した。
1日目終了。
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