第6話
「アルト」
ジェラルドさんの声がする。
意識がはっきりすると
ここがどこで何をしていたか思い出した瞬間自分の失態に気づき自分が眠ってしまっていたベットから飛び降りて土下座し
「申し訳ございません。」
と謝りました。
今日だけで何回失敗したんだろう。謝ることばかりしてしまい申し訳ないという気持ちにおそわれていると、ジェラルドさんがひょいと私を持ち上げ椅子に座り直させてくださいました。
「アルトは気を使いすぎだ。子どもが眠るだけで怒るならばベットに寝かしたりしない。安心しろ。カインはアルトが眠ってすぐ仕事に向かったカインも怒ってなんかない。水でも飲むか?」
と言いコップに水を注いでくださったので、ジェラルドさんが怒っていないのを理解しお水を一口飲んで一息つくことにしました。
(「美味しい。貴族の家ではお水も美味しいのか」)と思うと少し落ち着いた気がしました。
すると
「おはよう、起きてたんだね。ディナーは食べれるかい?」
とカイン様が部屋にはいってこられたので
「ありがとうございます。いただきます。」
と返事すると、またジェラルドさんが私を持ち上げ洗面台にいき顔を洗って私を席に座らしてくれた。
「あの、ジェラルドさん。」
「なんだ」
「毎回抱きあげていただくのは申し訳ないですし、自分で歩きます。」
「それはダメだ。」
「え?」
「アルトを抱っこするのは楽しい」
「はい?」
「俺の楽しみを奪わないでくれ」
と言われて嫌だと感じないでむしろもっとして欲しいという気持ちが湧いてしまい、
「迷惑でないのなら。よろしくお願い致します。」
と返答してしまうと
「ああ。」
と返事が返ってきて嬉しくてにこにこしていると。
「俺もいるのに毎回なかがいいなあ。やけちゃうよ。僕もアルトのこと抱っこしちゃう。」
と拗ねたようなカイン様が私を抱きあげてきたのですこし笑ってしまいました。
「ありがとうございます。」
と私が答えると
「すぐ外に他の使用人が待ってるから呼んでくる。2人ともおちついて待っててくれ。」
といったジェラルドさんがドアの外に行くと
カイン様はふたたびお膝の上に僕をのせ椅子に座りました。
そのタイミングメイドさんが食事を運んできてくれたのですが最後に入ってきた方だけ少し驚いていたのですがすぐに元の様子にもどり食事を食べきれないほど並べてくださいました。
「僕が食べさせてあげるからマナーとか気にせず好きなもの選んで。」
とカイン様がおっしゃったのですが、アルトには何が何かb子の記憶でわかるけれど自分がどれが好きかわからずとまどってしまいました。
するとジェラルドさんが
「失礼致します」
と美味しそうなサラダをフォークに刺して
「こちらをどうぞ」
と私の口のなかにドレッシングで味付けされたレタスいれてくれくださいました。
一口噛むたびにお野菜の美味しさが感じられて無意識のうちにまた顔がにやけていたのか
「おいしかったようで、ようございました。
次はプチトマトなどいかがですか。」
と言われ頷くと口の中に瑞々しくて美味しいプチトマトの味が広がりました。
ほっぺたが落ちるかと思うぐらい美味しい食事に驚いていると、
「はい。」
と言いながらスープのはいったスプーンがカイン様から目の前にさしだされ
「あーん。」
と言われ思わずスープも口に入れると
じゃがいもやたまねぎなどの甘みの効いた優しい味がくちの中に広がって思わず本当におちそうなほっぺたをささえてしまいました。
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