第5話

「何言ってんだ?」



「いや、思ったよりきにいっちゃってさ。どうだい?僕が父親は嫌かい?」



「…。」



「アルト、お前の意思をこの男に伝えろ。」



「迂闊すぎません?僕が言ってること全て本当とは限りませんよね。」



「んふふ。舐めてもらったら困るなあ。公爵やってて人の悪意がわからないと思うのかい?」


「正直僕にとったら今の状況より悪くなる事はないですし、騙されてたならそのまま死ぬしかないと思ってるので。ですが息子ですか。正直にいいます。あわよくば使用人として雇っていただくつもりでした。」


と言うと

「この場において正直にいうことは正しい。」


と言いながらジェラルドさんがどこかにいってしまいました。



人への嘘は必要な事以外はつかないことにしたいと考えています。そもそも必要な嘘以外はあまりつきたくありません。b子さんの記憶もありますし、当たり前だけどそれは曲げたくないと思います。


そんなことを考えているとカイン様に抱きあげられ椅子に座り、頭を撫でられていました。


そこにいつのまにかティーセットを用意したジェラルドさんが私の前に紅茶とココアをだしてくれた。


「ありがとう。」

といってカイン様が紅茶を飲みカップを置くと


「アルトはアレルギーはわかるかい?大丈夫ならアルトも飲みなよ」

と言われたので


「多分ないと思います。ありがとうございます。」

と言いココアを飲むと子どもも飲みやすいように適度にさましてくれていたことに気づいて


「あまくて温度も飲みやすくて美味しい」

とぼそっと呟いてしまいました。


その様子を見た2人は微笑みながら私の様子を見ると


「アルトは年齢的に紅茶はまだダメだからココアにしてみた。」


「ジェラルド、兄弟がいるから子どもには詳しいんだ。」


「お気遣いありがとうございます。こんなに甘いものはじめて飲めて嬉しいです。」


アルトは単純にこのココアでb子は飲んだことあるけれどアルトは甘いものを飲んだのが初めてで、甘いものがこんなに美味しいものなのかと感動してしまいました。


「それはよかった」

と口角を少しあげて笑うジェラルドさん


「ふふふ」

と上品に笑うカイン様に挟まれ日常会話をしてるうちに、家の子になるかの返事もせずに

温かいお風呂にはいりココアをのんだアルトの幼い体は眠くなってきてしまいました。


「おお。お昼寝かな。」

といい、来客用のベットにアルトを寝かせて


「僕はお仕事してくるからジェラルド見張っててくれる?」


「ああ。まかせろ」


とジェラルドの返事を聞いたカインは自分の執務室に帰り仕事をしに行きました。




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