第4話
久しぶりにお風呂に入るとやっぱりさっぱりしますね。
何回も洗って汚れを落として念のため体にタオルを巻きつけほかほかのまま浴室の外をのぞいてみると、案の定謎男がニコニコのまま私をまっていたので。
「覗かないで待っててもらえませんか。恥ずかしいので」と言うと
奥から
「あってめえ、何覗いてんだおとなしく待っとけって言ったろ」
と執事さんが謎男を回収してくれたので元々着ていた服が洗濯されたか捨てられたのか新品の綺麗な服に変えられ置かれていたのでそれに着替えて2人の前に出て行くことにしました。
「ん?髪が濡れてるじゃねえか。魔法はどうした。乾かしてやる。」
という執事さんが私の髪をタオルでひと撫でするとタオルに水がいって髪がかわいていた。
思わず
「すごい。」と呟くと
「おまえもできるぞこのくらいなら。」と頭を撫でてくれたので。
久しぶりの人肌に思わず擦り寄ってしまうも慌てて会釈して距離を離すと
「くくっ」
と口の端をあげ執事さんが笑ってくれた。
すると、
「なんだい?僕をおいて仲良くなっちゃったみたいだね。僕が拾ったのにさ〜やけちゃうなぁ。」と謎男
「誘拐犯より、施しを受けた方に礼をすべきかと思いました。ところで自己紹介がまだでした。名前はわかりません。もうすぐ4歳の3歳です。路上で暮らしてます。執事さんよろしくお願いします。」
「ねえ、僕は?」
と謎男が悲しそうにしていたけれど
「執事さん?可愛い呼び名だな。自己紹介がまだだったな。俺の名前はカイン・オルセウス。カインって呼んでくれ。名前がないのは不便だな。そのうち自分で考えるなり誰かにつけてもらいな。それまでの仮名としてA…アルトにしておくのはどうだ?」
「アルト、素敵です。そうしておきます。」
「無視しないでよ2人とも。僕はホセイン公爵が嫡男。ジェラルド・ホセインだ。自己紹介もしなかったのは悪かったね。君の周りに危ない者たちがいたからあの場からすぐ離れようと思ったんだよ。」
「申し訳ございません。そんなこととは知らず。助けてくれてありがとうございます。」
「どういたしまして。それよりも君。3歳って本当?話す言葉も庶民の割には綺麗だし。やっぱり女性から産まれると違うのかな?」
「いいえ。母さんは男性です。期待されていたものにそぐわず申し訳ございません。」
「ならおまえ綺麗に産まれて得したな。」
「すごいね。元々綺麗な子だなと思ってたしその年齢に似合わない賢さからきっと女性から産まれたと思っていたのによほど君が賢かったんだね。」
「いいえ。そんな事は。ありがとうございます。」
「うんうん。謙虚なところもいいなあ。よし決めた。可哀想だし使用人とかどうだろうって連れて来たけど僕の息子にしようかな。」
「は?」
「はい?」
とこの時の私とカインさんの言葉はほぼ同時だったと思います。
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