第7話

「ねえ、聞いてよ、兄貴!」


昨日えっちしたんだけどさあ。って私が普通に喋ると。

兄貴が怖い顔で「誰が?」って聞くんだあ。


「えっと、あたしが?」


「そーじゃなくて……っ」


兄貴は私の頭に手を置くと、旦那さんの手をしてた。暖かい手だった。


「今後一切、僕以外とシちゃダメだから」


「はあ!?」


兄貴がなんて思ってるのかよく分からないけど、指切りげんまんを兄貴とした。

11歳も離れてるから心配してるのかなって、義理の兄貴だけど、うざいと思った。


「僕、うざい?」


「ううん、好きだよ」


どちらも愛してるとは言えずに。

ただ、好きの気持ちを確かめたくて。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る