第8話

「弟、うっぜぇええ!」


「なんでお兄ちゃん?」


おまっと言ったところで辞める。だってコイツ口達者だから。

いつも俺が負けてしまうんだ。


「何でそんなに俺のこと好きなの?」


意味わかんねえと言いたかったが、弟の言葉を待つことに決めた。


教えなーいって言う弟が人懐っこくて可愛くて、抱き締めたくならなかった。


「兄貴、あんま飲み過ぎはダメだよ」


「なんで?」


「出ないと、襲われるから」


「誰に?!」


「弟に。」


にんまりと微笑む奴が憎たらしくて、愛おしかった。

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