第4話

「妹!朝ごはんやでー!」


そう言っておにぃは母親のいない私に朝食を作ってくれた。

美味しそうな香り、ジューシーなベーコンと目玉焼きとレタスのサンドイッチ。


お母さんの思い出の味だった。


だから、私はおにぃが好きだ。


「お兄ちゃん!」


普段呼ばない言葉で言ってみる。

驚いたようにビックリするおにぃが可愛くて、かわいくて。


「なっとうキス!」


と言ってほっぺにキスをした。

にししと笑うと、お兄ちゃんが困ったようにしゃがんで、私におはよう。

って余裕な笑顔で挨拶をした。


「意味わかんないしっ!」なんて言ってみると。

「俺も」って歯に噛むのが可愛いんだ、私のお兄ちゃん!

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