第3話

「お兄ちゃんのぶぁか!」


幼少期、そう言ったのを覚えている。

俺は妹の恋を応援したいと思った。だから、秘密基地へ行こうと誘ったのに。


「幼馴染のアイツが好きなんだろ?」


違うしっ!なんてかわいい拗ねた笑顔で言ってくる。

犯したい衝動にも駆られない妹だが兄は心配だ。


「そんなに好きなら、告白すれば?」


なあんて、俺の独断で宣言する。アイツは良い奴だから妹を幸せにできると。

アイツうぜけど。


そしたら俺の妹なんて言ったと思う?


「私はお兄ちゃんが好きー!!」だってさ。


ほんと、アイツ天然で馬鹿だよなあ。

アイツといられた方が幸せなのに。


俺の方を選ぶだなんて。

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