第42話 おじさん、乙女の玩具を見つける。


 俺はバイブを手に取ってみた。


 すると、白い汚れがついていた。もしかして、使用済み? つい嗅いでみたくなり、顔を近づけようとしたその時。


 先生が戻ってきた。


 先生は俺が持っているバイブに気づくと、すごい勢いで俺から奪った。


 そらから、数十秒の沈黙が訪れる。

 そして、先生は口を開いた。


 「こ、このバイブは……。その。肩とかに当ててマッサージするやつなんです。はい。そうなんです……」


 自分でもバイブって呼んでるし。

 なんだか追求するのも可哀想だし、俺は話を合わせることにした。 


 お茶を飲んで、落ち着く。


 すると、本人も無理があると思ったらしく、話し始めた。知らんぷりすればいいのに、真面目だなぁ。


 「その。女も寂しい時があるんです。 そういうときにバイブさんに手伝ってもらったり……。あさ、時間がなくて、ついそのまま置いて行っちゃったんです」


 先生は続けた。


 「……これも内緒にしたもらえますか?」


 俺は頷く。

 っていうか、こんなこと、言いたくても他の人に言えないだろう。先生は心配らしい。


 「なので、もっとちゃんとしたお願いをしてもらえませんか? じゃないとわたし、心配で心配で、学校いけません」


 それは困る。


 じゃあ、俺はほどほど大変なお願いをすることにした。さっきの妖艶なポージングを目の前でみたいのだ。


 「じゃあ、先生。俺のためだけに、さっきのコスプレしてもらえませんか?」


 先生は、真っ赤になって頷いた。


 「恥ずかしいけど、いいですよ……」


 それから20分ほど待つと、先生が淫魔サリスのコスで出てきてくれた。


 「これでいいですか? それとコス用の下着は一枚しかもってないから、普通の下着ですけれど、いいですか?」


 先生は、さっきのポーズをしてくれる。

 俺はそれを間近で見る。10センチくらいまで近づくと、先生の汗の匂いがした。  


 先生は、ここでは棒ではなくて指を舐めている。


 狭い部屋の中の単独コスプレショーは、異様な熱気があって、すごく陶酔的だった。先生も興奮しているようで、暑くないのに、肌が紅潮して、汗ばんでいた。


 先生はサービスのつもりなのか、座ってM字開脚のような体勢になった。つむぎに教えられたのだが、このポーズはこの淫魔サリスの決めポーズらしい。


 先生は言った。


 「これは、サービスです。まだ続けますか?」


 だが、俺は気づいてしまった。

 開かれた股間のパンツに、大きな染みができていたのだ。


 やはり、先生も興奮しているようだ。


 先生は俺の視線に気づくと、視線を自分の下半身にうつし、顔をさらに真っ赤にした。


 「も、もう終わりです!! あ、せっかくだから、下着を替えたら、マッサージしてあげますよ」

 

 腰回りはズボンを履いていると揉ずらいということで、ズボンを脱いだ。ズボンだけ脱いでいると、逆に間が抜けている。おれはシャツも脱いだ。


 先生は、下着を交換しにいったが、コスプレのままマッサージしてくれるらしい。


 下着だけというのも、おじさん丸出しで恥ずかしいものらしい。やけにお腹が出てるしね。


 俺は海外のスパのように、全裸で腰にタオルを巻かせてもらうことにした。


 先生は戻ってくると、気恥ずかしいということで、何故か俺は目隠しをされた。


 まずはうつ伏せになり、肩甲骨のあたりを揉んでもらう。先生のほどよい体温と体重で気持ちいい。


 これ、普通に嬉しいかも。


 頸から肩、背骨、尾骨から大腿骨の辺りを揉んでもらう。本当に極楽だ。この上手さなら、普通にお金を取れると思う。


 次は仰向けにされた。


 先生は、俺の胸のあたりに跨るような体勢になると、また首のあたりから揉んでくれた。

 ローションを使いながら、首から胸、お腹とどんどん下にさがっていく。そのたびに、先生の吐息や髪の毛が胸の辺りに当たってくすぐったい。


 明らかに勃起している自覚はあったが、自己申告も恥ずかしいし、股間は先生の背中の向こうで死角に入っている。


 俺は、バレないように精神集中する。心を穏やかにすれば、勃起も収まるだろう。先生は服をきているし、膨らんだりしてても多少であればバレないと思う。


 先生のお尻が俺の腰のあたりに移動した。


 その時、それは起こった。


 つるん。


 「あんっ…んっ」


 部屋に先生の嬌声が響く。

 俺が目隠しを取ろうとすると、先生に制止された。


 「とっちゃダメです。……んっ、んっ。あっ」


 俺のアレにヌルヌルしたものが纏わりついて、前後に擦れる。


 えっ。でもなんで?

 先生、服きてたし。


 もしかして、手とか口でされてる?


 俺は我慢できずに目隠しをとった。

 すると、先生は、俺の上に跨り、トロンとした目つきで一心不乱に腰を振っていた。 


 動くたびに、先生の胸が上下に揺れる。ウエストは細いのに腰回りの肉付きがいい。


 ……ほんとに良い身体をしている。


 下半身の方を見ると、先生はパンツは履いていなかった。ヘアは処理しているらしくツルツルなので、繋がっている様子が見渡せて、生々しかった。


 「先生。これは」


 「さくらって呼んで……」


 さくらは、俺の両頬を挟むように押さえると、身体を屈めて唇を押し付けてきた。


 さっきまで顔見知り程度だったコスプレ美女と、俺はいまセックスしている。その非日常に、俺は異様な興奮を覚えた。



 3時間後。

 俺は先生に腕枕をしている。


 先生は俺に寄り添い、目が合うと、身体をのばしてキスをせがんできた。


 「郁人。すごかった。わたし久しぶりだったから。あんなに濡れちゃって恥ずかしい。あっ、またしたくなっちゃった……」


 この数時間で、大人の女性という、さくらの印象はガラリと変わった。


 実際のさくらは、セックスが好きで、すごく甘えん坊だ。これだけ大人っぽい雰囲気と身体だからな。ギャップがすごい。


 さくらがまた跨ってきた。

 すっごい締め付けで、俺もまた頑張ってしまう。


 俺も久しぶりだったから、かなり盛り上がったが、アラフォーに3連戦はにきつい。明日、仕事いけないかも。


 それと、俺の状況を話さないと。


 ウチの状況、つむぎ、りんご、綾乃、瑠衣について話した。まぁ、マダムのことは話さなくていいか。


 すると、さくらは、黙ってしまった。


 ドン引きされたかな?

 でも、それならそれで仕方ない。


 すると、さくらは言った。


 「つむぎちゃんのことは大好きだから、わたしママになってもいいよ。他の3人には……負けたくないな」


 さくらは俺の目を見つめると、舌を少し出してウィンクした。


 「それと、さっきね。間違って入っちゃったんじゃないよ。郁人の元気なの見てたら、欲しくなっちゃったの。ね。足りない。もっと、しよ?」


 そういうと、さくらは、また俺に跨って腰を振り始める。4回戦目……。


 この先生、やはり、リアル淫魔なのかもしれない。おじさん。そろそろ電池切れになりそうですが。


 ご飯と一緒で、おじさん、欲張りな割には少食なんですよ……。


 

 

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