◆番外編 ギャングスター 3
●番外編のさらに番外編 take1
これっていったん固有スキル同士で【ギャングスター】を【交換】しといて、そのあとこいつから【交換】を奪えば両方のスキルを持てるんじゃないかな。
というわけで、さっそく【ギャングスター】と【交換】を交換する。
交換されたタケヤマは【ギャングスター】がなくなったことに気が付いて憤慨する。
「てめぇふざけやがって! 返せ、それは俺のスキルだぞ!」
で、僕に【交換】スキルが戻ってきて、タケヤマに【ギャングスター】が戻った。
タケヤマが僕に対して【交換】スキルを使用したのだ。
でも、僕は【ギャングスター】が欲しい。
てなわけでまた【交換】して【ギャングスター】を手に入れた。
次の瞬間、また僕に【交換】スキルが戻ってきて、タケヤマに【ギャングスター】が戻っていた。
ちなみに、交換するたびに【交換】スキルの使用回数がリセットされる素敵仕様だった。
……そんな不毛な交換を幾度か繰り返した後、
「やめませんか?」
「そうだな」
どうやら二人ともバカだったらしい。
(茶番の後本編に続く)
●番外編のさらに番外編 take2
これっていったん固有スキル同士で【ギャングスター】を【交換】しといて、そのあとこいつから【交換】を奪えば両方のスキルを持てるんじゃないかな。
交換されたタケヤマは【ギャングスター】がなくなったことに気が付いて憤慨する。
「てめぇ、ふざけやがって! 返せ、それは俺のスキルだぞ! ……ん、こっちのスキルの方が強いんじゃねえか?」
僕は【交換】スキルを強奪しようとタケヤマに近づいてブレイズダガーで斬りつけようとした。
だが、
「遅えんだよ、雑魚が。切り裂け、ウインドカッター!」
タケヤマが風の初級魔法を使い僕を切り刻んでいく。
あまり詠唱時間のいらない魔法をさらに連発されて近付くことができず傷だけが増えて、やがて僕は膝をつく。
「くそぅ!」
「この【交換】があればあんな制限の多い【ギャングスター】なんぞいらねえ。礼を言うぜ、小僧。とっておきの魔法を食らいな! ……舞い踊れ風の精霊王よ! シルフサイクロン!!」
僕の周りに竜巻が巻き起こり、風の刃に斬り裂かれながら遥か上空に僕の体が舞い上がる。
……その後、クラウスの姿を見たものはいなかった。
◇◇◇
タケヤマは【交換】スキルを使いこなし、自分よりも強者から次々と強スキルを得ていった。
そして圧倒的な力によりS級冒険者となり、貴族の地位を得たのち念願のハーレムを形成。
S級ダンジョンのアイテムを売り、一生困らない財産を築き上げるのであった。
重罪人は処刑前日、固有スキル【
その内容は本人にとって必ず都合のいいもの。
そして、都合のいい夢から覚めたあと間もなく処刑が待っている。
この上げてから落とす非人道的とも言えるスキルにより、すぐの処刑までを待たずに絶望しその場で自殺する者さえいる。
……タケヤマも処刑前日に見た夢から覚めて発狂したまま、処刑を迎えるのであった。
◆◆◆◆◆◆
いつもお読みいただきありがとうございます!
やはり夢オチは便利、ハッキリわかんだね。
今回はスキルによるものという説明をつけましたが。
……悪ふざけがすぎたかもしれません。
これで本当に終わりです。
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