第7話
翌日もこのニュースで持ちきりだった
各局が、それぞれの視点で事件の背景を掘り下げる。
チャンネルを変えていると、武の写真が大きく出たのでそこで変えるのをやめた。
久しぶりに見るたけちゃんは、やっぱり白いシャツにチノパンだった。
犯人はいまだ逃走中で、事件の動機は明らかになっていない。
現場からの中継もあり、じっとその様子を見ているとふと何かに引っかかった。
ひっかかりながらスマホをいじっていて「やっぱり!!」と、声が漏れた。
数年前武の研究室で教授と武と撮った写真
開発が終わったとされるタイムマシンの卵、もしもボックスが写っていた。
そして、中継されている現場の奥の方にそれがチラリと見えたのだ。
あれはもう処分されたはずじゃ??
でも確かにあった、この写真のこのボックスが!
あの頃はその研究に何人もの研究員がいたが、研究が終了になってあの頃の研究員達はもう大学にいないと、随分前に武に聞いたことがあった。
大きなものだし処分してないことも有り得るのかもしれないが、何かが妙子の胸に引っかかって仕方がなかった。
たけちゃんと話したい!
でも、武のと面会はしばらく出来なそうだった。
***********************
大学教授殺人事件として現場が立った。
今回の捜査ではSSBC(捜査支援分析センター)機動分析第一係の伊原翔平巡査長
があらゆる防犯カメラからの情報をまとめる役を担う事となった。
まずは現場のカメラで犯人の特徴を確認し捜査員全員で共有する。
白いキャップに白の上下スウェット 青いスニーカー どこかの電気屋でもらったと思われるナイロン製のバック
身長170センチ〜175センチ
中肉中背
背格好はどこにでもいそうだが、全身白に青のスニーカーとは目立つのではないか。
伊原は頭をかいた。
そこからは忍耐強くカメラを繰り返し繰り返し確認する。
現場から走り去った方向にあるカメラの映像をそのエリア担当が確認
そこからまた走り去る方向を見極めて次のエリアの担当が確認
何度か見失うものの一駅隣の改札に表れたところを発見した。
次は何行きの電車に乗るのかを見極める。
いくつものホームに設置してあるカメラの映像を一つずつ潰していき
池袋行きに乗車を確認
次はどこの駅で降りるかだ
一駅づつ気の遠くなる作業でカメラを確認するも見失ってしまう。
ここまでで既に2日かかってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます