第4話
あの夢に出てきた電話ボックスだった。
ドラえもんの道具でいうと「もしもボックス」使い方も似ているといえば似ている。
「もしもBさんの現在地と交代できたら!」と言ってボックスを出るとそこはBさんがいた場所になるということだ。
スマートフォンの位置情報を利用するためモノでの検証の際には人間が遠隔操作をする必要があった。
この先研究が進歩して遠隔操作で人々が瞬間移動できるようになってしまうのは避けなければいけないため、特定の場所でしか移動をできないようにしなければ。
と、その時またしても思いついたのが「もしもボックス」だったのだ。
武の研究には私との会話や思い出がかなり影響している。
もちろん彼一人の研究ではないので、研究自体への影響は微々たるものだが、教授は私を見ると「あなたが未知との遭遇さんですか!」と顔じゅうシワクチャになる程の笑顔で歓迎してくれた。
「こう言う研究って、門外不出なんじゃないの?
私来て大丈夫なの?」
と聞くと、武ではなく教授が代わりに答えてくれた。
「ハハハ…さすがミチさん。そうなんです。普通はこう言った研究は厳重に隔離された場所で秘密裏に行われるのですが、今回ミチさんにご覧いただけるのはこの研究がもう終了になることが決まったからなのです」
え??
驚いて武の顔を見ると、残念そうな顔で笑っていた。
「あ。そこ話してなかったね。あの時は実験が成功した興奮で言いそびれちゃったんだけど、そう言うことなんだ。どうしてももしもボックスをミチに見せたくて教授にお願いしたんだ」
とりあえずモノの移動には成功した訳だからこの先どこでもドアに繋がる可能性はゼロではないと。
ここまで来るのにどれだけの労力がかかっているか想像もできない私は「じゃあ、記念に写真とろう!」と言った。
そしてどこでもドアの卵の卵の卵。。。。かも知れないもしもボックスの卵の前でそこにいた研究員も一緒に写真を撮った。
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