第2話
ミチ!どこでもドアが出来るかも知れないぞ!
久しぶりの挨拶も何もなく、その一文のみ。
昼間友達とどこでもドアの会話をしたところだったので驚いた
見られていたのかと意味もなくキョロキョロと周りを見回す。そんなはずはない。
なになに?どゆこと?と返信すると、忘れた頃に次のLINEが来た。
とにかく見せたいものがあるから研究室に来ないか?と
たけちゃんの通う日本一頭の良い大学に一度行ってみたいと思っていたし、久しぶりに会いたい気持ちもあったので、いくいく!と返信した。
私の返信は常に早い。
そしてたけちゃんの返信は常に遅い。
その日の夜夢を見た。
メーテルと一緒に水族館に行く夢だ。
メーテルとは言わずと知れた999のメーテルである。
私は銀河鉄道999が大好きだ!
でも、いつも列車の時間にギリギリでハラハラするのは嫌いだった。
もう少し早くホームにいればいいのにと毎回思う。
なので私は電車に駆け込むことはほとんどない。
いつも5分前にはホームに立つようになったのはおそらく999の影響だ。
TVと映画で哲郎の容姿が違うのも気に入らなかった。
メーテルも車掌さんも同じなのに映画では哲郎だけがスマートになる。私はTVのずんぐりむっくりした哲郎が好きだ。
大きな目的に向かって行く途中の星々の話が面白くて子供ながらによく出来た話だと思っていた。
なぜか印象に残っている星が、体がどんどん大きくなってしまって家が壊れてしまう星だった。
結末は覚えていないが、なぜそんなことを思いつくのだろうと不思議に思ったのを覚えている。
高校に入って親友が2人できた。
推しの好みも、休日に行きたい所もみたい映画も3人が一致することがほとんどなくいつもどこに行くかを決めるために1日かけていたが、好きな人が重なることがないのは良いところでもあった。
そんな3人の唯一好みが一致したのが999だった。
3人のLINEグループアイコンはメーテルだ。
999好きであると共に星を見るのが好きな私たちは
武の部屋で何度も星を見た。
たけちゃん、かっこいいのにあのトーク力のなさは壊滅的だね。と2人の彼氏候補にはならなかった。
さて夢の話の続きだが、なぜメーテルと水族館なのだろうかと考えていたら思い出した!
品川の水族館に999のジェットコースターがあり、それに乗るためによく通ったからだ!
夢の中ではメーテルと宇宙ではなくて水槽の中を歩いていた。
何かに向かって、夢特有の進みたいのに上手く進めない感じで必死に水の中を歩いている。
遠くに光箱のようなのが見えている。
縦長の人が入れるくらいの…電話ボックスみたいな箱。
最近は見なくなったあの箱がキラキラと光っていた。
そのドアにやっと辿り着いたところで目が覚めた。
翌週、武の研究室に行くことになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます