第十五話 前編

勝家は初めて見る巨大な城に

「ここが… これが… 音に聞こえた小田原城か… まさに難攻不落… あの稲葉山城が霞んで見えるな…」

と、驚くのだった。


竹千代も驚き

「大きいというより広いと言った方が当てはまりまするな…」


信広「大きいとか… 限度があるであろう?北条家はおかしい!」


謎の女「こんな所であっけに取られておらず、本丸へ向かいましょう。我が主、北条氏康様がお待ちである。」


勝家「なんと?!いつ連絡を致したのじゃ?」


「細かい事は気になられるな。ささ。」

と、女は勝家らを小田原城の中枢へと招いたのだった。


その頃、本丸付近の屋敷では北条氏康の嫡男である氏政が

「もうすぐ、あの駿河の狸を討ち果たした者達が来るのではないのか?憲秀よ!」


「そのようですな。それにしても、いったいどの様にして殺したのか…」


北条幻庵「それよ!今回詳しく尋ねたいが、素直に答えてくれればよいが… お!どうやら来たようじゃな。」



北条家の家臣達が話してる場に勝家が姿を現した。



北条家当主の氏康は真っ先に勝家の下へ向かい

「わしが北条家の氏康である。手の者から聞いておる。」


「え?!(当主が、某に対して取る行動か?)お初にお目と言いたいが、氏康殿!」


「は?」


「『は?』ではない!見ず知らずの者に対しての警戒心が無さ過ぎませぬか?」


「おっと。それはそうじゃが、そんな事には成らぬとワシは思っておりがな…」

と、勝家は周りを見ると家臣一同が目を光らせていた事に瞬時で反応し

「これは余計なお世話であったか… 改めまして、某は清州織田家の三奉行に過ぎぬ分家の織田信秀様の家臣、名は柴田勝家と申す者でございまする。」


「うむ。して、聞きたい事があるのだが…」


「はっ!何を聞きたいが大体は察しておりまするが、その前にお願いしたき事がございまする。」


「ふむ。何じゃな?」


「某らは、今川義元を討ち果たしたのは良いでござるが、尾張へ帰る事が来ずで居りまする。そこで、不躾で図々しいのですが北条家に匿って頂けないかと…」


「そんな事でよいなら、匿ってやるぞ!」


「誠でございまするか?」


「うむ。我ら北条家は今川家と長い間、絶えず小競り合いを繰り返しておるゆえ、今川義元を討ってくれた事に感謝しておる身じゃ。お前達を匿う大儀が十分ある。それと、わしが聞きたい事… そう、どうやって義元を亡き者にしたか。コレを話して頂けるなら、尚良いのでござるが?」


「はっ!そういう事なら、隠さずお話し致しまする。」

と、勝家は信広が人実になった辺りから、懇切丁寧に説明した。


「信じられぬ。その黒い筒が武器で、その穴から飛び出た玉で狸の頭を引き飛ばした?そんな話が…」

と、氏康は疑問に思うので勝家は実際に見せる事にした。



つづく。






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IF... 織田信長 外伝:柴田勝家 ★華瑠羅★ @canami

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