第14話
〈イミル様はあの時言ってくださいました。私に「お前は立派なエロトラップになれ。美男美女を剥いで剥いで剥ぎまくれ」と……!〉
うわあああそうだったああああああ!その時何となく「ここにエロトラあったらおもろくね?」って思って何気なく言った!言ったけどまさかこんなに立派に育っているとは……
〈今こそイミル様にあの恩を返す時。イミル様、私にお任せ下さい〉
エロトラ……もとい無形触手は触手をナーシンの首元に突っ込む。
「くっ、何を……!……っ!!」
ナーシンは身体を縮こまらせる。しかし、無形触手が四肢をガッチリと固定し、思うように身動きが取れないようだ。
「……っ!…………ぁ!」
「どうしたんだいナーシン!?」
ナーシンは俯き、なんだか苦しそうである。頬は真紅に染り、時たま吐息混じりに声を漏らす。これは……
まさか、ナーシンのナーシンが…………!?
〈イミル様はこやつめがお気に入りのようですので私が人肌脱がせていただきます……!〉
「っは……イミリア………見ない、でくれ………」
ナーシンは眉をひそめ、恥ずかしそうに僕につぶやく。
そんな……ナーシンがグロピンク触手野郎にこんなにも汚されて……無理やり……こんな………こんなの………
「最高じゃねえかあああ!!」
「イミリア!?」
「お、おっと失敬!なんでもないよ!」
思わずガッツポーズしながら声に出してしまった。
「い、イミリア……離れ……て……」
ナーシンはたまに身体をビクッと震わせながらも耐えているようである。
「あー……ぼ、僕なんだか体が言うことをキカナイー。ウゴケナイー」
僕はその場に倒れてみせる。
こんな官能的なナーシンを見ないでどこかに行くなんてそんなことできない!
〈イミル様、どうですか?ご満足いただけてますか?〉
もうめちゃくちゃ満足してま……いや。
〈どうなさいました?〉
あの、ワガママ言って悪いんだけどあのエロい液とか出ます?媚薬効果とかあるやつ。
〈出ます。弱から強までの強さで出せます〉
っしゃあああああああああ!!あ、じゃあ強でお願いします。
〈承知しました〉
無形触手は新たな触手を生やす。その先端からは緑色の液体が滴っている。その触手を切なく息を吐いているナーシンの口に無理やり押し込んだ。すると程なくしてナーシンの喉がなった。
「~~~~~~ッ!!」
ナーシンは声にならない声を発しながら先程より大きく身体をしならせる。口からは先程の緑の液がダラダラと流れ出ていて目には涙を浮かべ、焦点が定まらない様子である。
〈イミル様、どうですか?〉
さ……最高です……ありがとうございます………。
僕は鼻血をダラダラ流しながら礼を言う。
〈イミル様……そんなに喜んでいただけるとはこの上ない喜び……私、もっと頑張れます〉
無形触手はそういうと新たに触手を生やす。興奮やまぬ中、次はどんなことが起きるんだとドキドキしている僕がいる。今度は先端から青い液体が滴っている。
〈実はこの液、最近出るようになったものでして〉
ほう?して、それは何かな?
〈この液なんと人体には害を与えずに服だけ溶かす液体なのです!〉
え?
〈実践してみましょう!これをこうすると……〉
えちょ、ちょっとまっ
〈安心してください。鎧や金属でもちゃんと溶け〉
「やめろおおおおここは全年齢対象の小説なんだよふざけんなあああああああああ!!」
僕は咄嗟に特大火炎魔法『ヘル・フレイム』を食らわせる。
〈ギャアアアアアア!!〉
みるみるうちに無形触手は燃え尽き、ナーシンは床に投げ出された。
「ナーシン!!」
僕はナーシンに近づく。ナーシンは今も息をゼェゼェ言わせている。
僕は直ちに治癒魔法をかけてやる。するとナーシンの息が整ってきた。
「あ……れ……俺は何を………」
「ナーシン!ごめんよ、僕が欲を出したばっかりに……」
危うく大変なことになっているナーシンのナーシンがあらわになるところだった。
「俺はたしかピンクの水溜まりに捕まって……うっ、思い出せない……」
「思い出さなくても大丈夫だよ、あの記憶は未来永劫僕の胸の内に秘めておくからね!」
「イミリア、鼻から血が大量に出ているぞ…大丈夫か……?」
「大丈夫、僕はどっちかと言えば元気ハツラツだよ」
僕は鼻血を流しながら満面の笑みで親指を立てる。
「そうなのか…?それならいいが………」
ナーシンは自力で立ち上がる。どうやら治癒魔法によりちゃんと解毒されているようだ。
「足止めを食らって済まない、先に進もう」
「うん、そうしようか!」
その後僕は先程のナーシンの姿を思い出す度に鼻血を出し、心配されるより先に自分に治癒魔法をかけつつ進んだ。
試練の塔最上階で待ち構えるの飽きたので下階に降りたら騎士見習いに惚れちゃいました むらびっと @murabitto
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