第14話 文化祭
自分はサッカークラブに所属しており、3年生になるまで文化祭に参加したことがなかった。基本的に文化の日に合わせて行われるが、3連休があれば基本的にサッカーで遠征をしていたため、2年生までは参加することが適わなかったのである。
3年生になって初めて文化祭に参加することになったが、今まで参加したこともないため、どのように楽しんでよいかもわからず、また、一人で過ごすの好きなふりをするのもうまくなってしまったため、主な出し物が開催される体育館ではなく、校内で展示されていた、美術部の作品やパソコン部のゲームを見るなどして過ごしていた。
そんななか、4階の窓の外に人がいるのを発見した。
最初は驚きすぎて、大きな声も出なかったし、それが幸いしたと振り返って思う。
窓の外の縁に小倉くんが立っていた。
「小倉くん、何してんの?」
なぜかとても冷静に話しかけていた。小倉くんは特に何の反応もせずこちらを見るだけであった。
「そこから飛び降りたら痛いよ。危ないから中に入ったら。」
何をしたかったのかは聞かず、もしやろうとしていることが自分の想像通りであったら、危ない旨を伝える。
小倉くんは特に何も言わず、こちらを見たまま教室の中に戻ってきた。
何事もなかったかのように自分の横を通り過ぎ、
「ありがとう」
と言葉を残してどこかに行ってしまった。
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