第13話

河口くんの持病については、特にいえることもなく、心配をしたところで何にもならないので、いたって普通に話を続けたが、この時くらいから自分についてもまた考えてしまうようになった。

河口くんの持病はだれにとってもかなりしんどいものだと思う。実際みんなと一緒に海に入ったりすることはできないし、夏でも長袖長ズボン、帽子を着用して体育をするなどで対応しなければならない。

今後治る可能性があるかもわからない。おそらくご両親もいろいろと苦慮されてきただろうし、ご両親自身を責めている可能性もあるだろう。


自分の場合はどうだろうか。おそらく周りからは何もわからないだろう。何ならスポーツもやって、いわゆるスクールカーストの低そうな子たちとも変わらずに接し、特に反抗するでもなく、いわゆる優等生のように見えていたと思う。

しかし、自分の場合は誰に言うこともできず、内心では子供も見込めないとなり、かなり鬱屈とした気持ちが自分の心の中にヘドロのようにたまり続ける。

河口くんの境遇が良いなんて口が裂けても言えないし、なりたいとも思わないが、外見上その境遇がわかる、それが原因でいじめられる可能性も十分にあるが、周囲にいえる、その一点に関してはうらやましく感じるし、「普通」に生きていける人たちはなおのことうらやましく感じてしまい、より一層ヘドロが深く、濃くなっていく。

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