終の剣閃 ヴェロニカ編2 四聖一の剣 朱雀
「何が目的だ!! 刀か! それとも私の命か?!」
「今の私は機能、及びシステムを制限されている状態だ。君を殺すことはできない」そう鋼鉄が答えるとヴェロニカは憤慨した様子で
「殺すことはできない……だと?! 舐めるなよ! 私はまだ能力すら解放していない!!」
向けられていた殺気がぐんぐんと大きくなっていくとヴェロニカの周りに赤い大きな鳥のオーラが具現化していく。スキルを発動したヴェロニカは、少し不気味な笑みを浮かべていた。
「レイン! 装備とシステムは戦いながら確認する! 戦闘サポートを頼む!」
「かしこまりました。マスター」
「四聖一の剣 朱雀!!」
具現化した四聖獣の朱雀がヴェロニカの頭上に浮かび上がると、天に掲げられていた刀に吸い込まれていく。刀身には激しく揺らめく炎が纏われている。スキルの名前を彼女が叫ぶと、即座に鋼鉄めがけて大きく袈裟切りしてくる。
「朱雀を纏った神速の一太刀だ……今度は止められまい!!」
「速いっ!! ハイブースト並みか……リフュージョンソードを使う!」
カチャリと鋼鉄が背中の剣に手をかけた瞬間、鋼鉄の鎧からシステム音が鳴り響く。
鎧のシステム音)ただいまリフュージョンソードはウィディア神の制限が掛かっており、現在、使用できません。
剣に手をかけたままハイブーストですんでのところでヴェロニカの刀をかわす鋼鉄。思わず本音がもれてしまう。
「馬鹿なっ?! サムライ相手に拳で戦えと言うのか?!」
「どうした? 背中の剣は飾りか!! 貴様も剣士ならば剣で戦え!」
炎を纏った刀の切っ先を鋼鉄に向けながら叫ぶヴェロニカ。それに対し鋼鉄は冷静な態度で答える。
「訳あって背中の剣は使えない。しかし、私は剣士でもあり拳士だ。この拳で……応えよう」
腰を落とし、右手を引き左手を前に出す構えを取る。ギリギリと拳を握りしめ、鎧に音声認識で自身の最大の武器であるスキルを読み上げていく。
「直撃魔法 破砕水牢」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます