トップセールスにインタビュー!
覚書
・ トップセールスにインタビュー!(芹山翔一)というタイトルの音声データ
・ 女性二人が、芹山翔一という男性にインタビューしている。20分ほどのデータで、前半は営業の心得などの内容が続く。文字起こししたのは後半部分。
・ インタビュアーの女性二人が誰なのかは不明(総務部人事課所属という設定か?)
・ 芹山翔一は現在退職済
(女性社員1、以下「女1」)ありがとうございます。芹山さんの営業に対する熱意、とても参考になりました!若手にもしかと聞かせることにします(笑)
(芹山、以下「芹」)いえいえ(笑)自分なんかが人事の方からこんなインタビューお受けするの、おこがましいというか……(笑)今日も同期にいじられたんですよ。前日飲みすぎて入社式遅刻したお前がトップとか、どういうことだって(笑)
(女性社員2、以下「女2」)それは……(笑)若手にはオフレコにしますね……(笑)
(三人の笑い声)
(芹)でも、真面目な話。本当にトップになれたのは、周りのおかげだと思ってます。上司、先輩、同僚……。納期やばい時は、後輩にも手続き手伝ってもらったことありますし(笑)事務の方や、工場の方も。皆さんに支えられてますよ。感謝しかありません。
(女1)そういう謙虚なところと、感謝を忘れない態度が、トップセールスの極意なのかもしれませんね。
(芹)みなさまに支えられて生きてます(笑)……ああ、あとはやっぱり家族ですね。ここを忘れちゃいけなかった(笑)
(女1)家族……ですか?
(芹)はい。実は先日、結婚して、子供が生まれまして……。お恥ずかしながら、授かり婚ってやつなんですが(笑)
(女2)え、そうなんですか?おめでとうございます!
(芹)ありがとうございます! もうこれが可愛くて可愛くて……。 妻と娘の寝顔を見ると、明日も頑張ろう、やるぞー!って気持ちになるんですよね
(女2)えー、いいですねぇ。幸せの絶頂じゃないですか(笑)娘さんの写真ないんですか? 赤ちゃん見たいです!
(芹)もう撮りまくってますよ(笑) ええと、これなんか可愛いな。哺乳瓶でミルク飲んでるとこなんですけど。はい、どうぞ
(女2)……え?
(芹)こっちは妻と写ってるやつですね。年上なんですけどね、美人でしょ(笑)あとは――これ、目が開いた時の顔です。目元は自分似だと思ってるんですよ。何度見ても可愛いもんですよね。自分の子って。
(女性二人は沈黙している)
(女1)そ、そろそろお約束の時間ですね。この後会議入ってるって、おっしゃってませんでしたか?
(芹)――ああ、やっべ、本当だ。すいません、ばたばたしますが、これで。今日はありがとうございました!
(椅子をガタガタとさせる音の後、遠ざかっていく足音。ドアが閉まる音)
(女2)……先輩。あの写真……。なんか……真っ黒でしたよね?
(女1)うん……。
(女2)赤ちゃんも、奥さんも、それどころか何も写ってなかったですよね?私の目がおかしくなったわけじゃないですよね?
(女1)私にも何も見えなかった。……あとさ、もう一つおかしいことがあるんだけど……。
(女2)まだなにかあるんですか?
(女1)うん……。芹山さん、独身のはずなんだよね……。当然、子供もいないはず……。
(女2)……え?
(女1)私、健康保険担当じゃん。社内の人が結婚したとか、子供が生まれたとかしたら届け出してもらうんだけど、芹山さんみたいな、目立つ人から届け出があったら、覚えてない筈ないと思う……。
(女2)………………
(女1)過労で、精神的におかしくなってるのかな……サガワ課長に相談してみよっか。産業医面談とか組んだほうがいいかも。
(女2)そうですね……。
(ここで女性二人の会話は途切れる。ボイスレコーダーを切り忘れているのか、無音が数分続いた後、甲高い機械音声のような音が録音されている。非常に聞き取りにくいが、おそらく以下のようなことを繰り返し言って居ると思われる)
み
ん
な
か
ぞ
く
※音声データはここで終了している
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます