第9話 信一の感じた 違和感と小さな綻び
♠信一side
「今日は?どうする?」
「ああ、それじゃ今日はお邪魔しようかな・・・」
「あっそ、それじゃまた明日・・・・え?」
俺の返事にまた聞き直す愛
「え?家に寄ってくの?」
「え?でも愛がどうすの?って誘ったんだろ?」
「まぁそうだけど・・・それじゃ・・どうぞ・・」
そう言うと玄関のドアを開けて俺を招き入れようとしてるが、その表情は明らかに困惑していた
「・・・・やっぱ・・・いいや・・・またな」
「へ?どしたの?寄るって言ったり・・・まぁいいわ・・また明日ね」
【バタンッ】俺の目の前でドアが閉まる
「・・・・・」俺は閉まるドアを見届けゆっくり振り返り自分の家に帰った・・・
自分の部屋に入りベッドに寝転がる、天井を見上げて朝の学校での事を思い出す
【はぁ~恋愛が充実してる奴は羨ましいぜぇ】【素敵ぃぃ我が校のナンバーワンHSC~】【尊いぃぃ最高のカップルねぇ】
(これが充実した恋愛・・・最高のカップル・・・はははは、皆、上辺しか見てないから仕方ないのか・・・)
俺は本棚で倒れてる写真立てをチラッと見て自分のPCを見つめる・・・
「あ、そうだラブにいつも通りログイン出来るってメッセージ入れとくか・・」
おれはスマホのゲームアプリを開きラブにメッセージを入れておくが今回は直ぐに既読にならなかった
俺は勉強机に宿題と参考書を広げ、飯時まで勉強に集中した
(ゲームとか恋愛に現を抜かして成績落ちたとか言われたくないしな・・・)
俺はさっきの家に上げてようとしてた時の愛の困った様な表情が頭にチラつき、あまり勉強に集中できなかった
椅子に背中をもたれ、考え事をしながら天井を眺めてると
「おにぃ、ご飯だよ!」
「うわぁぁぁ」
目の前に市江のドアップが現れて椅子からこけた、流石に運動神経の良い兄妹だけにこけた椅子を二人で避ける
「あ、危ないだろ!市江ぇ!」
「は、はぁ~私なんどもドアの前で呼んだしぃ!ご飯よ!ご・は・ん!早く降りてきてよね!」
そういうとプンプンと言う擬音が頭から飛び出しそうな程、不機嫌になりながら俺の部屋から出て行った
俺は椅子を元の位置に戻すと、本棚で伏せられた写真に目を向け手に取る
(この時の想いはもう無くなったのか・・・愛・・・いや・・・俺もか・・・)
写真立てを自分の机の引き出しの奥に伏せた状態でしまうと、リビングに向かった
「ふぅ~」
早めに夕飯を食べて、何時もは最後だが今日は一番に風呂に入る
(やはり愛との事は何処かでハッキリさせないとダメかも知れない・・・このままじゃお互いに幸せになれない・・・)
湯船に顔を付けながらそんな考えを巡らし自分の部屋に戻りベッドに腰かけながらスマホを確認する
(ラブはメッセージ見てくれたかな・・・と)
『はぁ~い、私も夕飯とお風呂済ませてからログインするね♡』
そのメッセージで少し心が軽くなり、小さく笑みがこぼれる「よしっ!」ベッドから立ち上がりPCを起動しゲームを立ち上げる
するとほぼ同時にラブもログインしてきた、直ぐに仲間申請しパーティを組む
『ラブ、こんばんは』
『ノブ―、お待たせぇ――』
『イヤイヤ、本当に今おれもログインした所だよ^^』
『それじゃ、ラブ昨日の続き頑張ろうか!今日こそ仲間に出来たらいいね』
『ウンウン私もレモンも頑張るよぉ♪』
俺は昨日レッドミンクを狩っていた穴場の森を拠点登録していたので、転送石で二人とも一瞬で移動する
イベント2日目だが、穴場で誰も居ない皆は森の反対の街に近い所で狩っている
『ノブ―この狩場良く見つけたね?』
ここはレッドミンクの出現確率UPのエリアをギリギリかすめている森の端だゲームのマップ上は入って無いが実際のエリア画面ではエリアのラインに乗ってる場所だ
『ああ、うん実はリサさんに前教えて貰ったんだ』
『へぇ~』
『あ、ラブ!レッドミンクが3匹同時にエンカウントしたよ!?』
『可愛い――』
『イヤイヤw3匹エンカウントは、噂だけどゲット確定ぽいよ』
『ええええええええええええ』
それから苦戦しながら何とかレッドミンクを倒した俺達の前に倒れた最後の一匹が起き上がって光ってる
【レッドミンクが仲間になります:名前を付けますか?名前を付けたら取引出来ません】
おれは名前を付けずにアイテムに収納した
『ノブ―!私、この子にライチって付けたぁ!オスだけどレモンと仲良くして欲しいなぁ♪』
「ラブのミンク好きは筋金入りだな・・」
俺は親指を立ててウインクするポーズでラブを賞賛すると、ラブからはハートのエフェクトのウインクが送られてくる
『フフフ、ラブ良かったね^^』
『うん!ノブ―のお陰だね』
『二人の頑張りだよ?じゃ帰ろうか我が家にw』
『ウンウン♪』
帰還石をアイテム欄から選択し自宅に戻る
『わぁモンスターハウスに新しいミンクの仲間が増えた―♪』
「・・・・・・・・・・・・・」
『なぁ・・・・ラブ・・少し相談に乗ってくれないか?』
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