第10話 愛の感じた 不安と小さな綻び

♡愛side



「今日は?どうする?」


何時もの様に一応家に寄って行くか聞いてみる・・・社交辞令ってこういう事なのかもしれない


「ああ、それじゃ今日はお邪魔しようかな・・・」


「あっそ、それじゃまた明日・・・・え?」


しかし今日の信一の答えはここ1年近く聞いた事無い返しだった


「え?家に寄ってくの?」


「え?でも愛がどうすの?って誘ったんだろ?」


え?どう言う事?急に・・・何か有るのかな?・・・大事な話とか・・ここ最近の私達の関係性から考えれば・・・別れ話かな・・ 


「まぁそうだけど・・・それじゃ・・どうぞ・・」


突然の信一の訪問というイベントに、何を言われるのか・・何を話せば良いのか・・不安に思っていると


「・・・・やっぱ・・・いいや・・・またな」


信一は玄関に足を入れる瞬間に一歩足を引いて、入口の前で立ち止まり、寂しそうな表情でそう言った


「へ?どしたの?寄るって言ったり・・・まぁいいわ・・また明日ね」


そう挨拶してドアを閉める・・・・


「ふぅ・・・」緊張から解放されて口から息が漏れる・・・閉めたドアを背にして緊張から動悸が激しくなってるので胸を押え落ち着かせる


落ち着いた所でドア窓から外の様子を伺うと魚眼レンズで見えにくいが信一は家の門から出て自分の家の方に曲がって行く所だった


(たく・・・なんなのよ・・・脅かさないでょ・・・)


先に軽くシャワーを浴び濡れた髪の毛をタオルで拭きながら自分の部屋に戻った


ベッド脇には信一と2年前に撮った写真が飾ってある


「この頃は、恋人になったからって二人で張り切ってあちこち行って毎日新鮮だったなぁ・・・」


スマホでゲームアプリを起動して確認するとノブ―からメッセージが届いていた


『予定が無くなったから、何時もの時間にログインするね(^.^)』


『はぁ~い、私も夕飯とお風呂済ませてからログインするね♡』


と返信して夕飯迄の時間勉強をする事にした、しかしさっきの信一の寂しそうな顔が頭に張り付いて集中出来ない


(本当に何だったのかしら・・・)色々と想像をめぐらしていると


【コンコン】「おねぇちゃん、ご飯出来たよぉ~」


「は―――い」呼びに来てくれた優に返事をして途中の参考書を片付けリビングに向かう


「はぁ~」さっき軽くシャワーをしたので湯船には半身浴で浸かる


(何時までも中途半端な関係だからこんなにモヤモヤするのかもね・・・こんな状態ではお互いに楽しく無いし・・・)


風呂から上がり自分の部屋に戻るとノートPCを用意してゲームを立ち上げる、すると目の前にノブ―が待っていて直ぐにパーティー申請が来たので承認する


『ラブ、こんばんは』


『ノブ―、お待たせぇ――』


『イヤイヤ、本当に今おれもログインした所だよ^^』


『それじゃ、ラブ昨日の続き頑張ろうか!今日こそ仲間に出来たらいいね』


『ウンウン私もレモンも頑張るよぉ♪』


ノブ―はいつの間にか機能の狩場を拠点登録していた様だ、ノブ―の転送石で二人とも一瞬で移動する


『ノブ―この狩場良く見つけたね?』


私は基本戦闘職では無い為、狩場とかに疎くこの辺は全てノブ―任せだ


『ああ、うん実はリサさんに前教えて貰ったんだ』


「え?リサさん?・・・ノブ―とリサさんは私よりも付き合い長いし・・ノブ―のギルドのマスターだから何かと面倒も見てくれるのは判るけど・・・」


『へぇ~』


ノブ―とリサさんのやり取りを想像していて少しモヤモヤしてしまって、そっけない返事を返してしまった


少し自己嫌悪してるとノブ―がエンカウントして戦闘開始になると


『あ、ラブ!レッドミンクが3匹同時にエンカウントしたよ!?』


見ると本日初めてのレッドミンクが3匹も居た


『可愛い――』


『イヤイヤw3匹エンカウントは噂だけどゲット確定ぽいよ』


『ええええええええええええ』


「やったぁ!!」


一人でPCの前でガッツポーズしながら、絶対に負けれない戦闘で必死にミンクとノブ―とNPC(リサさん)を必要以上に回復する


そして遂に・・・【レッドミンクが仲間になります:名前を付けますか?名前を付けたら取引出来ません】


「もうオスでもメスでも決めてるんだよねぇ」【【ライチ】でよろしいですか?】


【ラブは【ライチ】を仲間にした(戦闘に参加させる場合は編成から選択してください)】


『ノブ―!私、この子にライチって付けたぁ!オスだけどレモンと仲良くして欲しいなぁ♪』


私は直ぐにノブ―に新しいミンクの事を報告する


ノブ―は親指を立ててウインクする、私はハートのエフェクトのウインクをノブ―に送る


『フフフ、ラブ良かったね^^』


『うん!ノブ―のお陰だね』


『二人の頑張りだよ?じゃ帰ろうか我が家にw』


『ウンウン♪』


ノブ―が帰還石を使用して自宅に戻る、私は直ぐに家の裏のモンスターハウスを覗くとそこには新しく真っ赤な毛並みのミンクが丸まって寝ていた


「かっわいいい―――」


『わぁモンスターハウスに新しいミンクの仲間が増えた―♪』


私が喜んでいると、ノブーから


『なぁ・・・・ラブ・・少し相談に乗ってくれないか?』


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る