第5話 信一と愛の思い出
♠信一side
俺は今エターナル キングダム内でお嫁さんでもあるラブと期間限定のイベントに挑んでいた
『ラブ、レモン(以前にプレゼントしたミンクに似たモンスター)もかなり強くなったね!』
俺はバトル中に画面をちょこまか走り回る灰色の可愛らしいモンスターを見ながらラブにチャットを送る
『えへへ、ノブーから託された子だからね大事に育てるよ♪』
ラブのキャラは回復職でモンスターと直接戦闘に向かない、俺と結婚する以前は募集パーティーに参加していたらしいが、基本パーティーには回復職は1キャラ居れば良いのでタイミングが悪いと中々組んで貰えない
以前このイベントがあった時は毎日毎日募集を探していたけど結局2,3回しか組んで貰えずお目当てのレアモンスターであるレッドミンクは仲間に出来なかったと道中に言っていた
『もしレッドミンクを仲間にしても、レモンも一緒に可愛がってくれよな』
『そんなの当たり前じゃない!!』
『ふふ、ラブのミンク好きは筋金入りだなぁ(笑)』
俺はレモンと用意したNPC(ノンプレイキャラ)とラブの4人でPTを組んでレッドミンクが現れるという森でひたすらモンスターを狩っていた
『出現確立アップって言ってもやっぱり中々出会わないね・・・』
俺は部屋の時計を見ると既に10時を回って11時に差し掛かっていた
『ラブ、今日はこの辺にしておこうか、そろそろ眠いんだろ?』
『フフ、ノブーは誤魔化せないね(笑)』
ラブは眠くなって来たり、飽きてきりとそろそろ終わりたいって時は少し泣き言ぽい事を言う、これは俺に対する気遣いだろうラブはそういう気遣いの出来る優しい子だ
『^^俺も丁度眠かったしね、ラブもそうなら良かったよ』
『うん・・・ありがとノブー』
ラブはアイテムを使って出していたモンスターを収納している
『今日は3匹しか出会えなかったけど、また明日頑張ろうね^^』
『うん!ありがと、ノブー私も明日頑張るね!』
そういうと俺はアイテム欄から帰還石を選択すると、ノブーとラブが光に包まれ光の泡となって画面から消えた
森のフィールドから庭付きの小さな家の前に画面が変わり、光の泡が集まるとノブーとラブが現れる
『それじゃラブ集めたアイテムを片付けて今日は終わろうか』
『そうだね、ノブーも遅くまでありがとうね💛』
俺はキャラを慣れた操作で家のドアを開け中に入ると入り口の横にあるアイテムボックスに本日ドロップしたアイテムを選択して入れていく
横で同じようにラブもアイテムボックスに収納してる様だった
『それじゃお休みラブ』
『うん、お休みノブー』
ラブからハートのエフェクトのウインクが俺に送られてきて画面からラブの姿が消える
【ラブさんがログアウトしました、パーティーを解散します】
「さて俺も体力を回復してから終わるかな」
ベッドに移動して【休む】のコマンドを選択すると減った体力と魔力が全回復する
<やぁ!ノブー珍しい一人かい?>ログアウトをしようとしていたら、ギルドのオープンチャットで俺にメッセージが来た
<いえ今から落ちる所です、なにかありましたか?リサさん>
リサさんは俺の所属するギルドのマスターだ、種族は猫耳の獣人族の女性で俺がやり始めた頃は付きっ切りで教えてくれた、俺の師匠の様な人だ
<いやいや、ノブーは最近ずっと奥さんと一緒にいるから一人でいるのは珍しくてね>
<ああ、ラブは先にログアウトしたんですよ>
<ああ、そうだったのかい?ノブーも寝るとこだったならゴメンな>
<いえいえ、俺は平気ですよ>ちらっと時計を見ると11時を少し回っていた
<そうかい?いやぁ――君たちは何時までも仲良くて凄いよ>
<凄い?>
<ああ、気を悪くしないでほしい、1年半前のブライダルイベントで私の知り合いも結構結婚したけど殆どが名前だけの関係になってて君みたいに仲の良い状態を維持できてるのが凄いって意味だよ>
「確かに・・ギルドの人の中にもブライダルを解除できるアイテムを運営に要望してるとか言ってたもんな・・・」
<俺たちは今でも上手く付き合ってますので大丈夫ですよ>
<そうかい、しかし失敗したなぁ~あの時私がブライダルの開催期間中にゲームが出来なくて諦めたけど、もし出来るなら君を相手に選んだんだけどなぁ>
<アハハ、リサさん冗談ばかり>
<フフフ、少し君たちが仲良すぎて揶揄ってみたくなっただけだよ、ごめんな>
<いえいえ、それでは僕はこの辺でログアウトします、お休みなさい>
<ああ、おやすみ>
【ログアウト】のコマンドを選択すると最初のタイトル画面に戻る・・・おれはアプリを終了させるとPCの電源を落としシャワーを浴びに行く
(ふぅぅ今日は少し夜更かししすぎたな・・・)おれは軽く体を洗うと手早く体を拭いて歯磨きをして部屋に戻る
部屋の中の本棚の前に愛と遊園地に行った時の写真が目に入った・・・
「いつの写真だよ・・・」
日付を見ると2年前の日付になっている、写真に写ってる二人はまだ幼さが残っており愛の髪もボブカットだ、緊張して笑顔で手を繋いだ写真を俺はそっと手前に倒して布団に入る
「あの頃は、毎日緊張していて愛も俺も相手の事を少しでも知ろうと一杯話をしたなぁそれこそ今くらいの時間まで話は尽きなかったな・・・」
「もう、昔の事か・・・・今は・・・・」
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