第4話 愛のエターナル ブライダル
♡愛side
私は2年前に美術の題材に使う為の映像資料を探す為に、父親が使っていたお古のノートPCを貰った
「あ、このミンクの写真可愛い・・・他の写真ないかな・・・」
そうして好きな動物の写真をクリックしていると、宣伝のバナーに引っかかってゲームのダウンロード画面になってしまった
「あ、やば!変なゲームの広告押しちゃった!!」
私は怪しいゲームかと疑って、スマホでゲームの名前を検索する
「え~ぇと・・・エターナル キングダム・・・と・・・」
検索された内容から多人数の同時接続型のゲームで所謂MMOと呼ばれるタイプのゲームだった
「へぇ~普通に300万人登録してるのか・・・あ、このミンクみたいなの可愛いぃぃ」
私はダウンロード中に映るゲーム広告の可愛らしいモンスターに興味をそそられて
「まぁ基本プレイ無料だし、面白く無かったら消せば良いし・・・息抜きに少しやってみようかな・・・」
それが私と【エターナル キングダム】との出会いだった
子供の頃から絵をかく事しかしてこなかった私にはゲームでしかも大勢のユーザーと同時にプレイするこのMMOは新鮮で刺激的だった
気づけば美術に割く時間を殆どゲームの時間に費やしてしまうほど、のめり込んだ
『ラブさん本日の薬草の納入有難う御座います、代金は金庫に送っておきます』
『はい、明日もお願いします♪』
私はキャラクターメイクの際に数ある種族からエルフを選択した、髪型と髪色だけは金色のパーマがデフォルトで変更出来ないがそれ以外の目元口元は出来るだけ自分に似せてみた
「へぇ私意外と金髪似合うかも・・・」作ったキャラは自我自賛してしまうほど綺麗でまさに妖精だった
私はゲームの広告に乗ってたミンクのモンスターを仲間にしたくて、ギルドでハンター登録して戦闘をしてみたが自分には向いてないのか全然上手く行かず、仕方なく採集ギルドで薬草や花を集めてお金に替えるという職業に転職した
「3ヵ月に一度のモンスター販売で今度こそミンクをゲットするぞ!」
目的の為に欠かさず日替わりのミッションをクリアし着実に資金を貯めていってる中で
【リリース3ヵ月記念エターナル ブライダル開催!】という公式の告知をみた私
「へぇ~ゲーム内でペアの相手と結婚して、城下町の住宅街に家を持とう、か~」
「え!?モンスターの保有枠が家を持つと増えるの!?凄い!」
私は直ぐにエターナル ブライダルの相手を公式の掲示板で募集してみた、募集者で集まって相手を見つける所謂婚活パーティーに参加する私の目の前に居たイケメンの人間男が話しかけてきた
『初めまして、僕ノブ―と言います、見ての通り人間でギルド所属のハンターです』
『初めまして、私はラブと言います、種族はエルフです採集ギルドに所属しています』
チャットの様子から女の子との会話も慣れてる感じがしたので少し警戒する私に
『ラブさんパーティー申請してもいいですか?』
私は少し考える・・・ネットで知り合った人がストーカーされたとかニュースにもなってたし・・大丈夫かな・・しかしそんなノブ―さんの後ろを私の欲しいミンクを連れて歩いてる女の子のキャラを見かける
(はぁ~可愛いぃぃ、私もミンク沢山欲しいぃぃ)自分の欲望には勝てず
『はい、是非』そう返事をノブーさんに送りパーティーを組む事にした、所謂二人だけのお話しだ
『ああ、私もあの特典が欲しくして!!可愛いモンスターを一杯仲間に出来るのは夢のようです♪』
『(^^)俺はやっぱ宿屋の費用が抑えられるのは有難いな~』
『確かに~♪城下町の宿屋って高いんですよね怒』
『本当だよ怒、便乗値上げも良いところ!!』
ノブ―さんはモンスターに興味があまりないのか・・・だったら少し我儘言って見よう
『あ、それじゃノブ―さんと一緒になったらモンスターの枠は私が多めに貰っちゃおかな~な――んてw』
『全然いいですよ!(^.^)bラブさんの好きなモンスターで埋め尽くして下さい(笑)!』
「え?本当に!?私の家にミンクが一杯になるぅぅ」私は嬉しさを込めてチャットを送る
『やった―――!』
こうして意気投合したノブ―と私はゲーム内で夫婦となった
『ノブ―私明日のモンスターバザーでミンク競り落としてくる!応援してね!』
『^^;それなんだけど・・ラブ、モンスターバザーは中止でw』
「え?何言ってんのこの人・・・やっぱりモンスターの枠が惜しくなったのかな・・」
『いや、自分のお金で買うし、モンスターの枠も最初はあんな事言ったけど、ちゃんと二人で半々で』
『ラブ、ちょっと来て!』そういうとノブーは家を出て裏庭に私を連れだした
『え?これってモンスターハウスじゃない!?いつの間に・・・』
モンスターハウスというのは、文字通りモンスターを確保しておくための小屋のような物だった
『うん、このあいだギルドの討伐で俺討伐貢献度Aランク判定貰って結構ボーナス貰えたんだよねだから、ラブが喜んでくれるかなって買っておいたんだ(^.^)』
「やだぁ・・・うそ・・めっちゃ嬉しいんんだけど・・・」
『ありがとぉぉぉノブ―』私はハートのウインクのエフェクトをノブーに送ると
『アハハ、違う違う、中に入ってみてよ俺ここに居るから』
ノブーの言う通り小屋の中に入ると
【ご主人様、ミンク♀に名前をつけて下さい】急にコマンドが現れて私は画面の前で固まる・・・
「え?なに?私がご主人様?ミンク♀って・・・え?どういう・・・まさか!!」
私は可愛いミンクに【レモン】と名前をつけ小屋から出るとそこにはクラッカーを打ち上げるノブ―が居た
「本当に・・・この人は・・・私の喜ぶ事ばかり・・・」ノブ―の気持ちに涙が出そうになるが必死に堪えてチャットを送る
『ノブー本当にありがと!でも、ミンク♀って♂の倍するって言うし高かったんじゃないの!?』
『あ、う、うん少しずつ貯めてたんだよ(^.^)まぁ小屋は本当にこの間の討伐ボーナスで買ったオマケだし、ラブが喜んでくれたなら良かったよ』
私はハートのエフェクトのウインクを連発し何度も何度もノブ―にお礼を言った
其れからも常に一緒にゲームで遊んでいく内に自然とお互いプライベートな事まで相談したり、逆に相談に乗ったりするようになった
ノブ―からは彼女が居る事を聞かされた時は正直ショックだったが、人の事は言えない私も彼氏がいるのだから、私もノブ―にその事を伝えてお互いに恋愛についても話する様になった
『最近、彼女といても会話が続かないし、彼女も俺に興味が無いみたいでさ』
『あ、私もそう~彼氏に話題を振っても振られても全然話が広がらなくて、いつも上の空でさ』
『はぁ~本当に、彼女は俺の事を好きでいるのか最近特に疑問に思うよ』
『私も・・こんなで恋人なのかな?って最近特に思うよ』
『ラブが本当に彼女だったら良かったのに・・』
『私もノブ―が本当の彼氏なら毎日幸せなのに・・・』
「私・・・ノブーの事が好きなんだ・・・」
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