エピローグ
あの苗は無事に育ち精霊も生まれた。精霊といえばスリジエしか知らないけれど、思った以上に個人差なのか何なのかがあるらしい。この子セリシールは生まれて多分もう60年は立ったと思うが相変わらず5歳児のような見た目である。まあ生まれたときは3歳くらいに見えたから少しはこれでも成長はしたようだ。ただ変わってないと言うと怒られるので定期的にある声かけをしなくちゃならない。
「あなたもずいぶん大きくなったわね。」
「思ってないでしょ。」
とそっぽを向いてしまったから、なぜバレたと思っていると
「あ、あの!2人は何してるの。」
と突然大きな声で尋ねられた。見るとそこには小学2年生くらいの女の子が立っていた。
それからその子と3人で遊ぶようになった。その子の緊張した様子を見ていると、なんだか昔の自分が思い出されて無意識に口角が上がってしまった。
ある日いつものように女の子とセリシールに会うと女の子に質問された。
「どうして恋できなかったの。」
「前にも答えたけど桜の木のせいだよ。」
「だから、それ。それがわかんないの!教えてよ。」
「わかった。いいよ、教えてあげる。でもね、教えてって言ったんだから最後まで聞くんだよ。寝ちゃあだめだよ。長い話になるけどね。」
桜の木の下で おひるね。 @poka_poka
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