骨髄ドナー登録から、提供までの記録
まらはる
2024年、骨髄ドナーとして、骨髄を提供した。
登録は2021年。
自主的に趣味として献血を行っているのだが秋葉原の献血会場にて、骨髄バンクへの登録を促される。
通常の臓器のドナー登録と異なり、骨髄は提供しても一時的には減るが元にも戻るもののため、「自分にその役割が回ってくるか分からないけどとりあえず登録だけしてみるか」ぐらいのノリで登録。
多少の問診に加え、献血前の血液検査で余分に(数十ml程度)血を取られるくらいで、大したことはしなかった。
LINEの公式アカウントを友達登録するが、こちらは定期的に骨髄ドナーに関するニュースと登録情報に更新があればきちんと更新するよう促す文章が流れてくるくらいであった。
連絡が来たのは2024年、序盤。
知らない電話番号で来たので、1回電話番号を確認して、詐欺などではないことを確認した。
数日以内の回答を求められるが、その際には家族(両親、配偶者など)の同意も必要。
とりあえず近しい家族に「自分骨髄ドナー提供するけど、やっていい?」と聞いてOK貰って、返答すること。
同意取れそうな家族がいない(物理的、関係的に)場合は、その旨を添えて確認する。
説明と検査(初回)
→込々で半日~1日
特定の病院(A病院とする)にて、平日の昼間にピンポイントな所要時間は1~2時間ほど。
サクサク行けば1時間、いろいろ質問や確認をするなら2時間。
説明は、無料でもらえるガイドブックにも書いてある内容ではあるが、担当の人から詳しく教えてもらえたり質問もできる。
検査は、血液を再度採取しつつ、問診を行う。
血液から健康状態が問題ないか、検査する。
直近で薬を使っていたりすると、延期あり。
自分は直前にお腹を壊して胃薬飲んでたので、日程ずらしてもらった。
検査結果。
→10日ほどで、書類で返ってくる。
問題なければ引き続きドナー候補となる。
ここから、他のドナー候補の検査結果や比較が終わるのを待つ。
家族の同意。
→最終同意。家族(かそれに類する人)1名を伴って、A病院で最終同意の説明を受ける。
説明と検査と同じ病院、先生。ただし弁護士も同席する。
説明内容は前の説明と同じ。印鑑が必要。ざっくり2時間ぐらい。
説明を受けたい家族が他にいれば、同席は可能。
自分の場合は、父も母も来た。
この時の交通費は自分と同席者1名、つまり2名分までなら出る。
事前検診
→健康状態の検査。骨髄採取する病院(B病院とする)で受ける。採取の1か月くらい前。
問診、身長体重、血液、肺活量、胸部と腹部のレントゲン、尿、心電図。
待ちも含めて3時間くらい。2週間くらい前から運動を制限される(週2,3の30~40分くらいのランニングをしていたが、やめておくよう言われた)。
夏場だと前日や前々日から水分とってないと血液で良くない数字出るかも。
採取担当の医師と、麻酔科医の医師から実際の採取に関しての説明を受ける。
基本的に言われるとおりに全部進めていけばいいが、問診で
・過去医者にかかった経験全部(怪我やちょっとした病気もわかる範囲で全部)
・過去含めたアレルギー等
・家族の大きな病気、手術歴、麻酔を受けた際のアレルギーなど
などを聞かれる。わかる範囲での回答でいいが、事前に確認をしておくとなお良い。
自己採血、2回。
→B病院にて採血自体は1時間程度。1週間ほど開けつつ、骨髄採取前1週間前までに終わらせる。
400ml(もしくは200ml)採るのに30分、休むのにもう30分くらいである。
しかし自分は1回目のほうは、事前検診で引っかった項目があったため、再検査を行い、それに1時間くらいかかった。
また2回目は、入院の手続きや詳細について伝えられつつこちらからも確認をいくつか行ったので30分ほどさらに費やしている。
これらもまた、時間の都合がつけば半休でなんとかなると思われる。
会社には上司に入院を伝えた(骨髄ドナーすること自体伝えたのは最終同意あたり)。
最初は有休を入れていたが、事情を伝えるとドナー休暇扱いとして、有給残数を減らさず有給と同じ扱いにしてくれた。
本来そういった休暇制度はない会社だったのだが、小さい会社かつ上司が理解があり融通の利く方だったのでそういう扱いとなった。
入院について、先におおまかなまとめ。
→今回自分の場合は、病院の方針で5日だった。(本来は4日が多い)
1日目入院、2日目安静、3日目手術、4日目経過観察、5日目退院、といった流れである。
4日の場合は2日目の安静がなく、入院→翌日に手術の流れとなる。
入院先の病院は、丸一日ゆっくりして体調を整えてもらおうという考えだったらしい。
病院着、タオル歯ブラシ石鹸などのアメニティは有料での貸し出しとなるが、支度金を骨髄バンクから提供されるためそれほど心配はない。
最低限の下着の替えと、履きやすい館内靴(泥などで汚れていないスニーカーなど)が持参品として必需品となる。
それ以外の自分用のアメニティ、お薬手帳、暇つぶし品、は持って行くとベター。
剃刀髭剃、爪切りなどの刃物は持っていけるが自分の行った病院は預ける必要があった。
wi-fiは通っていたが、弱め。すぐ切れる。
ソシャゲはちょっとロードがのんびりするがデイリーとか回すくらいは問題なさそう。
この辺は病院の施設の充実具合やルール次第なので、細かく確認しておく必要がある。
院内をどの程度うろついてもいいかも、確認の必要がある。
入院1日目、初日。
→午前中の指定の時間までに、事前検診と自己採血を行った病院の受付に向かう。
なんとテレビ付きで日中であれば通話も咎められない個室であった。
採血などの検査を行いつつ、主治医に麻酔科、薬剤師の方、看護師などたくさんの方が検査や問診をしつつ挨拶にいらっしゃった。
割と豪華な個室だった。
この日の昼から病院食。
カロリー控えめ、ヘルシーではあるものの味はしっかりめ。量は少なめ。
デザートはついたりつかなかったり。肉も出たりでなかったり。
入院2日目、のんびり。
→定期的にお医者様や看護師がいらっしゃって、検温とか問診、不足がないか調子は問題ないか、あるいは前日のあいさつしそびれた方など、いろいろな理由で来られる。
しかしそれ以外特にすることもないので、ゲームでも読書でも好きにするといい時間。
入院3日目、手術。
→2日目夕食後は水のみの摂取が可能となり就寝前に下剤を飲む、朝6時には絶食、7時半に浣腸して胃腸を空っぽにする。
8時半に手術室へ自分で移動。メガネかけたままメガネケースは持って行き、直前で預ける。
手術自体はうつぶせで行われるが、仰向けに寝る。
覚えているのは呼吸器を当てられて、2度か3度深呼吸をしたところまでである。
全身麻酔ですっかり意識を失い、気づけば手術台で目覚め、意識がもうろうとしたまま自室へ運ばれる。
仰向けでそのまま、腰に違和感ありつつも手術完了を知る。
手術自体は3時間程度であった。
点滴を受けつつ、おむつ履きつつ、酸素吸入されつつ、さらに3時間ほど動かずに安静。
口から喉にかけてがひどくガサついて乾燥して耐えられなかったが、特に処置はしてもらえないので頑張って唾を生成して何度か飲み込むことで対処。
ただし、術中は喉まで吸入管を突っ込んでいたので、喉が物理的に傷ついて少し荒れてしまって引っかかるような痛みはしばらく続いた。
正直この3時間が一番つらかった。自分の体がどうなってるか知る由もないので、おむつを知らず(下半身どうなってるか見れないからね)、めちゃくちゃ便意と尿意を耐えていた。まぁ一回漏らす経験すると漏らしやすくなるというから耐えてよかったのかもしれない。
目が覚めてからも体がだるくて重く、喉の痛みもあって、しかし体を動かしたり体勢を変えたりできないので地味につらい。
母がこのタイミングで見舞いに来てくれたのは、正直気を紛らわすのにスゴイ助かった。別に自分が大怪我したとか病気したという手術ではなかったので来なくてもええで、の気持ちだったが、ただ実際にじっと待つ時間はキツかったので、話し相手がいるとだいぶ楽だった。サンキューマッマ。
3時間ほどで点滴やマスクを外して起き上がり、うがいをさせてもらう。この時は看護師の方が付き添いである。
さらに水を飲めるかどうかまでの確認をした。
のどなど嚥下機能に問題がないかの確認のためだろう。
このとき個人的に唯一誤算だったのが、点滴の跡である。
点滴の針は採血など注射の針よりも太いため、穴が大きくなる。そのためすぐに血は止まらないし、注射針のつもりで動くとそこから血がドバっと出る。一応絆創膏を貼ってもらっていたが、ちょっと動いたら貫通して血が流れてきて慌ててナースコールを押した。
点滴の針を抜いてもらったら大人しく数分待とう。
その後、さらにいくつかまた確認をして、夕ご飯である。昼食は手術と安静で飛んだ。
ここから抗生剤など薬を食後に渡される。
また何度か医者が来つつ就寝。
4日目、安静。
→何度かいくつか検査検温を行いつつ、安静にして過ごす。
とはいっても、手術直後のように身動きとらず寝てろ、ということはなく普通に体を動かしてよし、シャワーもオッケー。
翌日の退院についての話もされる。
5日目、退院。
→退院。
体に異変、不調がないか、やはり問診や検査を行い確認しつつ朝ごはんだけ食べて退院。それ以上のことは特にない。
後日、検査。
→フォローに色々聞かれつつ検査。
問題なければ、だいたい終わり。
ちなみにお住いの自治体次第では、ドナーに助成金が出ます。東京だと通院や入院の1日につき2万円とかもらえる地区もある(最大七日分)。この場合14万円になりますね。調べよう。
骨髄ドナー登録から、提供までの記録 まらはる @MaraharuS
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