短歌集・詩集 夏の日~僕・言葉~涙
百々五十六
短歌
夏の日
冷房をかけすぎた母
腹抱え
笑うあなたと
涙目の僕
終わった日常
朝に寝て
昼過ぎ起きて
夜に寝て
深夜に起きて
また朝に寝て
スポーツ
スポーツをした後に飲むアクエリが
口に残ってネバつく苦み
花束
花束に虫食い一つあるだけで
無実の花も
劣悪と呼ぶ
敗北
じんわりとにじむ涙と汗の味
勝利の美酒と対の味わい
想い
君が為
身を粉にすると
その決意
君を苦しめ
僕も苦しめ
数の亡霊
一度した
バズる感覚
抜けられず
自我を失い
数追いかける
言葉
言葉とは
括りであって
機械的
0と1との区切りではない
日常
患って
乗り越えたとき
日常の
変わらぬことの
ありがたみ知る
タブー
触れさせぬ
タブーを作り守り抜く
するとそれらは衰退をする
錠剤
風吹けば
足並み揃わぬ口の中
私の意志と錠剤と水
リアル離れ
キーボード入力速度増すたびに
汚れていった俺の筆跡
腹痛
腹痛は初心を忘れたときに来る
心の機微とエアコンの風
鏡
光しか
映さぬ鏡
闇を見ず
輝く姿
美しくなる
眠気
七時半
眠くなるより
重くなる
瞼の裏と
目尻の下が
読書
書くよりも
読んでた方が
楽しいし
同じ時間で
いっぱい知れる
暑さ
夏過ぎて
秋口来たと
思ってた
カレンダーまだ
あじさいの花
椅子
腰よりも
肩より目より
尻痛い
椅子に座って
十二時間目
回転ずし
風呂上り
不意に鼻から抜けてきた
回転ずしの醤油のにおい
コーラ
友達と昨夜に飲んだコーラより
半分抜けた昼の炭酸
友人と昨晩飲んだコーラより
心にしみる朝の炭酸
担々麺の売り文句
町中華
舌先よりも喉にくる
辛さが売りの
いい担々麺
イヤホン
右左
上下左右に
絡まった
半年ぶりに
使うイヤホン
短歌
上の句が語彙の不足でかみ合わず
こねくり回す言葉と言葉
バーべキュー
網に落ち
黒線のある
マシュマロが
さらに溶け出し
炭にくっつく
汗
じんわりと
腕が湿った
初夏の頃
家に帰って
腕がザラッと
カレー
なんとなく
ざっと作った
一人カレー
丸いジャガイモ
硬いニンジン
トイレ
強すぎた
エアコンの風から逃げて
トイレに行って
ただ座るだけ
自意識
少しずつ
自意識だけが
肥大化し
あなたのそばの
世界を壊す
未来
十年後
変わらなかった
あなたより
変わってしまった
あなたを見たい
十年後
俺の知ってる
あなたより
俺の知らない
あなたを見たい
経験
今短歌
湯水のごとく
あふれてる
頑張ってきた
過去があるから
信仰
神在って
我在りなのか
我在って
神在なのか
問い続くだけ
キーボード
徹夜明け
グレーに見える
キーボード
重い瞼と
鈍っている手
アイデア
皺を寄せ
頭抱えて
腹抱え
絞りだした
新しいうた
緊張
本の前
本番の前
人の前
なぜか無性に
トイレ行きたい
データ
愛情を
込めて作った
このデータ
命こもった
テキストファイル
友達
友達は
失ってから
気づくもの
またできたとき
また見失う
おし
推し推して
押してしまった
注文を
宵越しの金
惜しくもないわ
旅
ただ一人
目的もなく
旅に出て
帰れる場所の
大切さ知る
睡眠
旅終えて
帰ってきた安心感
無理ない程度
4日は眠る
落とし物
一休み
布団の中で
午後3時
意識こぼれて
スマホこぼれる
やる気
悩むなら
やる気あるなら
やればいい
やる気ないなら
やんなけりゃいい
麺
乾麺が
夏は一番
食べやすく
6食目から
食べ辛くなる
暗闇
暗闇が
実体をもち
現れて
俺の腹をポンと押し返す
パソコン
光浴び
睡眠よりも
仕事して
曲がる背骨と
曲がる精神
過労
満たされず
忙しすぎる
仕事する
淵のカピッた
エナドリの缶
ながら
ヘッドフォン
音楽動画
垂れ流す
ながら仕事は
思考を奪う
字下げ
書くときに
字下げを忘れ
小説が
凹凸のない
四角い画面
想像
澄んだ空
美しい青
白い朝
見ていなくても
ここで詠える
街疲れた
空近く
小高い丘の
土の中
帰らぬあなた
隣に私
旅立ち
いつまでも
待てど暮せど
帰らない
あなたを思い
彼方へと行く
あの日
あの日見た
あなたのままで
最後まで
変わらぬあなた
変えられぬまま
使わない右手
携帯を
持たない右手
どうしよう
しっくりと来る
置く場所もなく
メモ
メモにより
切り取りされた
日常は
ぶつ切りのまま
出荷されてく
さじ加減
人間の
善悪なんて
さじ加減
私の黒は
あなたのグレー
数値
また数値
動画小説
イラストと
数値が僕の
心蝕む
アクスタ
作業中
モニターしたの
アクスタが
地震によって
前に倒れる
隔て
モニターと
ネットを一つ
隔てたら
君との距離は
何光年も
めぐる四季
めぐる四季
夏っぽい春
夏は夏
冬っぽい秋
春っぽい冬
エイムアシスト
人生の
エイムアシスト
出来たなら
もう少しだけ
寄り添えたかも
目覚め
朝起きて
目覚めた世界
昨日より
報われるかも
しれない世界
執着
執着は
ペットボトルの
ラベルほど
淡白なもの
目指すこの頃
いっぱい
理想とか
理論値だとか
夢だとか
上回れない
ものがいっぱい
プロの力作
身の回り
イラスト
動画
小説も
目につくものは
プロの力作
比較
実力を
比べるべきは
プロじゃなく
今日もがいてる
未来のプロだ
塵積も
何事も
塵も積もれば
山となる
山となっても
塵はただ塵
好奇心
気になって
ふと立ち止まり
調べ物
僕のスマホに
雨粒一つ
にぶいち
軒先で
覗き込んだ
この雨は
強くなる雨
弱くなる雨
横書き
縦書きで
書きたいけれど
横書きで
書かねばならぬ
悲しき短歌
ゲリラ豪雨
快晴と
ゲリラ豪雨で
風情なし
0か100かの
今の世の様
雨のもつ色
薄黄色
点字ブロック
オレンジに
混ざった色は
雨のもつ色
なう
雨だなう
濡れましたなう
寒いなう
冷たいななう
晴れそうだなう
香水
あんちゃんと
すれ違うたび
刺激臭
香水がまた
嫌いになった
あと七
五七五
七までできた
この短歌
あと七文字で
できるのだけど
いたたまれない点字ブロック
街なかで
白く焼けるか
黒ずむか
いたたまれない
点字ブロック
騒音
ブンブンと
バイクから出る
騒音は
出せば出すほど
バカっぽくなる
タンクトップ
夜に見る
タンクトップの
おじさんは
昼に見るより
面白くなる
すとっく
大量の
アイディア溢れた
半月後
気づいたらない
ネタのストック
目に見えるもの
価値観や
人生とかは
詠めなくて
目につくもののみ
短歌にできる
キャンプ
キャンプかぁ
ハエとか蚊とか
いなきゃなぁ
一度くらいは
行ってみたいな
辞書
辞書開き
まず目についた
単語見て
調べたかった
単語忘れる
書き溜め
明日のため
未来のためと
書き溜めて
今日を犠牲に
してる気がする
細かな美学
山を見て
海を見たとて
分からない
木目や潮の
細かな美学
移動時間
旅に出て
何かするより
移動する
時間長いと
少し残念
パズル
ここはあれ
ここにはあれと
はめてって
出来たパズルが
今日出す短歌
日課
日課だけ
やってる日には
面白い
アイディアなんて
降らないだろう
10分
10分で
書かれた6個の
短歌たち
夕食後まで
覚えてるかな
早起き
気合入れ
目覚ましよりも
早起きし
作業中なる
目覚ましの音
証
無我夢中
時を忘れた
証とは
トラックボール
裏側のごみ
僕
今君が
学校に行く
その間
画面に向かい
作業する僕
言葉
前進
安定とは停滞だ
停滞とは後退だ
後退とは退化だ
止まってなどいられない
進め
涙
悲しみと溢れんばかりの悔しさを
涙でこぼすのはもったいない
こぼすくらいなら、
いつかの為に取っておきたい
短歌集・詩集 夏の日~僕・言葉~涙 百々五十六 @10010056
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