8章 悪党は二択でも両方を選ぶ

第1話

昨日は死神との戦闘と言う滅多に出来ないであろうイベントをこなした僕は寮のソファーの上で快適な朝を迎えていた。

あんな事があったから、ハヌルが手を回して今日は公欠にしてくれたんだ。

イケメンで気の利くなんて最強だね。


なんでソファーの上で寝てたかって?

それはもちろんベットを使っている人がいるからだよ。


僕はソファーから降りて2人分の朝食の準備をする。

出来上がった頃に寝室の扉が開いて可愛い声が聞こえて来た。


「おはようございますヒカゲ君。

ごめんなさいベット使っちゃって。

ちゃんと寝れましたか?」


寝巻き姿も超可愛いアンヌだ。

昨日帰って来て事の顛末を話したら安心して寝ちゃったんだ。

だから襲いたい衝動にかられながらもベットで寝かせた。


「おはようアンヌ。

もう起きちゃったんだ。

もっとゆっくり寝てて良かったのに」

「そんな、勝手に泊まり込むなんて迷惑かけたのに」

「朝食の準備出来たら起こしに行くのを口実にイタズラしに行こうと思ったのに」

「起きて正解でした!?

なんて事考えてるんですか!!」

「なんて事ってエッチな事だよ」

「エッチな事って、何する気だったんですか!?」

「もちろんセッ――」

「言わなくていいです!」


もう顔を真っ赤にして可愛いな〜

ますます揶揄いたくなっちゃうよ。


「えー、ダメなの〜」

「ダメに決まってるじゃないですか!」

「そういやアンヌは僕の言う事なんでも聞いてくれるんだよね?」

「なんで今それを言うのですか!」

「なにして貰おうかな〜」


僕はいやらしい目でアンヌの全身を舐め回すように見る。

アンヌは体を両手で隠すような仕草をして睨んで来る。

睨んで来るけど可愛いから全然怖く無い。


「本当になんでもいいんだよね?」

「確かに言いましたよ。

でもこのタイミングで言うのはいやらしい事考えてるように聞こえますよ」

「実際いやらしい事考えてるからね」

「そんな堂々と言わないで下さい!」

「まずは何して貰おうかな〜」

「一つですよ!?

一つだけですからね!

なんで何個も言おうとしてるんですか!」

「一つって言った?」

「言ってませんけど、こう言うのは一つです」

「そうなの?」

「そうです!」


そっか〜

一つだけか〜

なにをして貰おうかな〜


僕は再びアンヌを舐め回す様に視姦する。

うわ〜

アンヌが凄く軽蔑した目で見てくる。

なんか癖になりそう。


「ヒカゲ君。

すっごく嫌な顔になってますよ」

「どんな顔?」

「凄く下品にニヤニヤしてます」

「だってね。

今アンヌが僕の想像の中で凄くエロい顔で凄くエロい喘ぎ声あげてるからね」

「なんて想像してるんですか!」

「想像で終わるかな?」

「意味有り気に言わないで下さい!」

「だって、なんでも言う事聞くって事は想像通りになるかもって事だよね?」

「ヒカゲ君。

一体私に何をさせようとしてるんですか?」


流石に揶揄い過ぎたのか、アンヌが凄く怒ったふうに睨みつけてくる。

だけど、これがまた可愛いんだよな〜


僕は両手をワキワキさせながらゆっくりとアンヌに近づいて行く。


「ヒカゲ君。

なんで黙るんですか?

なんで近づいて来るのですか?

その卑猥な手つきは辞めなさい」


アンヌはゆっくりと後退りして行く。


「アンヌ。

朝食の準備出来てるよ。

食べなよ」

「言ってる事と動きが合っていませんよ」


アンヌは壁に当たって後退りが出来なくなった。

それでも僕は近づくのを辞めない。


「アンヌが朝食食べたら僕がアンヌ食べちゃっていいよね?」

「ダメに決まってます!」

「なんで?」

「なんでもです!」

「僕の想像の10倍はエロい声出すんだろうな〜」

「そんな訳ありません!」

「大丈夫だよ。

アンヌは全部脱いでベットで横になってだけでいいから。

あとは僕が凄く気持ちよくしてあげるから」


僕はもうアンヌに触れそうなぐらい近づいていた。

近くで見ると更に可愛い。


「わかりました」

「はえ?」


全く思いもよらない答えに僕は変な声が出た。


嘘だろ?

今わかりましたって言った?


「なんでもするって言ったのは私ですから」

「ちょっと待ってよアンヌ」

「でもそんな事ばっかりやってると女の子に嫌われますよ」

「うわーん。

アンヌに嫌われた〜」

「ちょっと泣かないで下さい!?」

「だってアンヌが嫌いって言ったもん」

「嫌いとは言ってません。

一般的な話をしただけです」

「本当に?

じゃあアンヌは嫌いにならない?」

「はい、ヒカゲ君を嫌いになんてなりませんよ」

「じゃあ許してくれる?」

「はい、許してあげます」

「じゃあ僕の事好き?」

「はい、ヒカゲ君の事好きですよ」

「やったー。

アンヌに好きって言われたー」

「もう、その子ったら仕方ないですね」


アンヌは僕の事をダメな子を見る様な目で見る。

この視線がたまらなくいい。


それにアンヌはやっぱり優しいな〜

なんだかんだ言って許してくれちゃう。

またセクハラしようっと。

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