第4話
こっちの世界に戻って来て一カ月ぐらいたった。
こっちの世界に帰って来た時は、なんか偽ナイトメアってのがいたし、お金もすっからかんで大変だった。
だけどなんだかんだ楽しめたし、無くて困ってたお金もいっぱい奪えたし、順風満帆な毎日だ。
今日なんか奪ったお金で結婚詐欺師釣り上げちゃった。
それが結構可愛い子なんだよね〜
だから逆に騙してお金奪っちゃった。
もちろんそれだけでは終わらないよ。
むしろここからが本番。
えへへ〜
久しぶりにヤれて僕スッキリ。
「良かったよ。
じゃあね」
まだベットの上でピクピクしてる詐欺師のかわい子ちゃんのお尻を撫でる。
お金も増えたし、向こうの世界ではなんだかんだと阻止されて解消出来てなかった性欲も解消できたし、正に一石二鳥。
「ひゃん!」
「なになに?
やたらと可愛い声出すじゃん」
辞められずについつい尻を撫で回す。
「んっ!ちょっと待って。
あっ、今はダメ、あんっ!?」
ダメだ。
我慢出来ない。
もう一回戦しちゃおっと。
僕は痙攣してるのかわい子ちゃん上に覆い被さってから全身弄る。
「ま、待って。
お願い、も、もう、限界、あっ!」
「待ちませーん」
あ〜、気持ち良かった。
……さて、ヤる事やったしなにか食べに行こうかな〜
僕は夜の街に繰り出す。
何食べようかな〜
おや?
焼き鳥のいい匂いがする。
僕は焼き鳥のいい匂いに釣られて切りよく100本持ち帰りする事にした。
いい匂い過ぎて我慢出来ないから食べながら帰ろうっと。
僕は袋を片手に抱えて食べながら大きな橋を歩く。
静かな橋の上で歩きながら食べるのはなんかいい感じだ。
おっ。
めっちゃ美味しい。
この店は当たりだな。
ちなみに袋を魔力でコーティングして保温してるからずっと焼き立ての温かさをキープ出来ちゃう。
言う事無しだ。
「そこのバイク止まりなさい!」
パトカーのサイレンと警察官の声。
それと複数のバイクの音が喧しく聞こえて来たと思ったら凄いスピードの暴走バイク達が僕の横の道路を走り抜けて、その後をパトカーと白バイが通り過ぎた。
あいつら絶対許さない。
僕は気力で身体強化して目にも止まらぬスピードで暴走バイクを追い越す。
その時に先頭の数台のバイクの前輪目掛けて焼き鳥の串を投げた。
魔力で強化された串はバイクの前輪を抉ってクラッシュさせる。
後ろから走って来たバイクもつられて全台巻き込む大クラッシュ。
思い知ったか。
僕がせっかく美味しい焼き鳥食べてたのに排気ガスの臭い匂いで邪魔した報いだ。
普通だったら数人死んでてもおかしく無い大惨事だったけど、超能力で死なない程度に収めてやっただけでも感謝するんだな。
後遺症は知らないけどね。
後から追って来た複数のパトカーから降りて来た警官達が次々と捕まえて行く。
ちなみに投げた串は魔力で蒸発するようにしてたから地球にも優しい仕様。
ゴミを捨てるのは良くない。
人間のゴミもしっかり掃除しないとね。
まあ、僕みたいにしぶといゴミもあるけどね。
「君!
大丈夫かい?」
白バイ隊員が僕に声をかけて来た。
「なにが?」
「なにが?って。
この事故に巻き込まれて無いかって……」
「ああ。
大変な事故だね。
でも大丈夫だよ」
「そうか。
それは良かった。
すまないが、少し事情聴取させて貰ってもいいかな?」
「えー、嫌だ」
「時間取らせないから」
「これ見てよ」
僕はいい匂いのする焼き鳥の袋を見せる。
「焼き鳥だね」
「そうだよ。
焼き立ての焼き鳥。
僕は温かいうちに食べたいの」
「まあまあ、そう言わずに」
『帰っていいよね?』
「いいよ」
僕の霊力の籠った言霊で白バイ隊員を頷かせた。
さて、帰ろうっと。
◇
危ない危ない。
よく考えたら僕って今戸籍無いんだよね。
なんせ、僕は今異世界人だから。
困らないって言ったら困らないけど、職質されたら大変だったよ。
もう焼き鳥の事しか頭に無くて忘れてた。
だってとっても美味しいんだもん。
山の中を館に向かいながら食べ歩きってのもいい感じだ。
クマさんとかが匂いにつられて出て来たら熊鍋にしようっと。
え?
こっちの世界ではありえない魔力を持った人が近づいて来てる。
しかも、あの魔力は……
山の中を超スピードで駆け抜けて来た人影が現れ、僕を目掛けて剣を振り下ろす。
僕は魔力でコーティングした焼き鳥の串で受け止めた。
激しい魔力のぶつかりが空気を震わせて、お互いに後方に飛んで距離をとる。
「この世界はなんなの?
何もかも初めて見たはずなのに何故か見覚えがある。
あなたは一体誰なの?
今のは完璧な不意打ちだったはずよ。
なにより――」
綺麗な紫色の髪が靡く。
誰もが息を呑むほどの超絶美人。
「なんであなたを見てるとこんなに心が騒めくの?」
あっちの世界での僕の身内。
初めて出来た悪党の身内。
こっちの世界にいるはずのない超絶美人のエルフのスミレだ。
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