第7話天下一品

ぴゅ~♫

私「祭りの出囃子?」

アイドル「うぢらがいぎなり東北産だー。気合い入れていくぞ!」

アイドル「おー!」

会場「うりゃおい、うりゃおい」

祭りの出囃子音とともに現れたのは東北のアイドルいぎなり東北産。

私「何で特攻服?」

元気良く登場した9人のアイドル達はそれぞれ赤や黄色等の色とりどりの特攻服を着て現れたのだ。

私「個性的過ぎるだろ」

変わった衣装に気をとられていると出囃子が鳴り止み、ピンクの特攻服を着たアイドルがかわいい顔に似合わない大声で「天下一品!」と叫び、会場からも歓声が響いた。

東北産「レッツゴーいぎなり東北産!ウィーアー!いぎなり東北産!」

ステージで輝く個性的なアイドル達を見てふと私に懐かしい記憶がよみがえった。

私「ヒーローショー」

30年以上前、当時小学生だった私は近所にあるダイエーに仮面ライダーブラックが来ると知り、父親に頼んでヒーローショーを見に行ったのだ。父親は仕事が忙しく遊んでもらった事がなかった分、父親との唯一とても楽しかった思い出であった。

私「何で忘れてたんだろう」

自然と涙流れた。

ライブはあっという間だった。


後輩「先輩、今日はありがとうございました。楽しかったですか?」

私「お、おう」

後輩「あんまりな感じでしたかね。ごめんなさい!無理に誘ってしまって」

私「あのさ」

後輩「はい?」

私「ファンクラブってどう入るの?」

後輩「、、、おまかせください!」

ライブ前の雨がうそのように晴れていた。


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