第6話光る棒ペンライト

 開始のブザー音とともに座っていた人たちが一斉に立ち上がった。

後輩「先輩Stand Up!」

私「スタンド、あ、立つの?」

後輩「もちろんですよ!さぁ盛り上がりましょう!」

後輩に促され立ち上がると、赤や黄色、緑に水色のカラフルに光る棒やアイドルの顔写真のうちわ等で会場が埋め尽くされていた。

私「すごいな!」

後輩「先輩、ペンライト」

後輩から光る棒ペンライトを1本渡された。

私「どうやって使うの?」

後輩「気持ちです!周りの人に合わせてもリズムに合わせてもよし。自分が楽しいとか頑張れとか思ったら振ったり掲げたりしてください!」

私「気持ちって、、、」

♫〜 ♫〜

ポップな音楽とともに現れたのは、後輩の推している豆柴の大群。

後輩「アイカー!」

隣りにいた後輩が大声で推しのアイドルの名前を叫び、赤く光る両手持ちのペンライトを高速でグルグルと回し始めた。

私「何かすごいことになってるよ」

声をかけるが後輩は完全に自分の世界に入ってしまったので、とりあえず私もぎこちなくペンライトを振りはじめた。

間近で見るアイドルのライブ。不思議な感覚であった。ステージの上に立つキラキラ輝くアイドルにたくさんのカラフルなペンライトの海。今まで感じたことのない感覚が私を包んだ。

豆柴「以上私たち豆柴の大群でした。ありがとうございました」

気づくとあっという間に1組目の豆柴の大群のライブが終わっていた。

後輩「アイカー。好きだー!」舞台袖に去っていくアイドルに後輩は全力でペンライトを振っていた。

後輩「最高っすね。先輩!」

私「うん!」


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