第62話 修学旅行①-3 新幹線
飛行機は、仙台空港に着陸した。
俺達は、集合して引率の先生からの指示を受ける。
「え~と、ココから仙台駅までバスで移動する。そこから北海道新幹線で函館に向かうんだが、新幹線が一度に取れなかった。それで、二便に別れて移動することになった。……」
函館まで新幹線。
「北海道新幹線も乗れるなんて、お得だ!」
「色んな乗り物乗れるなんていいじゃん」
クラスメイトたちはハプニングの中何とかポジティブな雰囲気を保てているようだ。
「なんか旅って感じだな」
「あぁ、でも分乗で行くとなると……」
どう2つに分かれるのかが気になるが、恐らく同じクラスは同じ便だろう。
そんな風に隆貴と話していると彼の奥の先生と目が合った後「田原!!」と先生が、俺の名前を呼ぶ。
何か嫌な予感がするのは俺だけではないだろう。
「すまんが田原、先行の生徒の指揮監督補佐やってくれないか?」
嫌な予感的中。
しかし、先生の申し出をすぐさま断るに断れず俺は詳しく内容を尋ねる。
「補佐って何するんですか?」
「なぁに、切符とか渡して、函館で集合させてくれたらそれでいい」
「……え、嫌ですよ。他の人当たっ……」
「それで」
俺の断りの言葉を先生は口を塞いで邪魔してきた。
「やってくれれば、それなりの特典をやるから」
小声でそんなことを言ってきた。
特典?なんだろうか?まぁいいか。
ここで先生のポイントを稼いでおくのも悪くない。
「わかりました。やります」
空港から仙台駅までは、チャーター便のバスで移動となった。
「と言うことで、俺たちが乗る便の方の新幹線の引率の補佐をお願いされたんだ」
バスの中で、陽菜や隆貴、菜月たちに状況を説明する。
「へぇ~。俺も手伝うよ輝。お前だけじゃ、大変だろ。それに」
「それに?」
「特典も気になるし。それはそれは良いものを先生はくれるんだろうなっ」
「ふぅ~ん、それじゃぁ私達もお手伝いするね。ねっ、陽菜」
「そうだね、菜月ちゃん」
今回のコース、新幹線に乗って、新函館北斗駅まで、あとはバスでホテルまで移動。
新幹線が3時間かぁ。あとの到着を待って……。
今日は長いなぁ。
「よーし、先行のグループ、駅にあがってくれ~」
「ハイ、コレね」
ゾロゾロと切符を受け取り上がっていく。
渡す切符に掛かれている座席は、席がバラバラだ。
まぁ、急に何百人単位で席を取れただけでもすごいと感心する。
そんなことを考えながら俺達は、一人一人、切符を配る。
「じゃぁ、俺達も行こうか。あれ?」
俺達の切符?
「うふふっ。はぃ、これが輝、コッチが陽菜ねッ」
菜月が、俺達に切符をくれる。なんか、悪い顔だなぁ。
「ウンッ、ありがとう菜月ちゃん」
「それじゃぁ、函館で」
菜月は自分の切符をひらひらさせながら隆貴と自分の席がある号車の方に歩いて行った。
俺達もホームに上がり陽菜と指定の車両を探す。
「輝、ここだね」
「!!!」
俺が自分の車両の前に到着し、その席に驚きを隠せないまま立ちすくんでいると俺のスマホのメッセージの通知が鳴った。
『その2枚だけ、全然車両が違ったから、ふたりに譲ってやる。楽しめ』
隆貴の、ニカッとピースするスタンプが動画で動いてる。
そんな最中スルスルとハヤブサがホームに滑り込んでくる。
「田原、いよいよ北海道に行けるねっ」
新幹線の席に着く。
「陽菜、ここって」
「うん、グリーン車だねぇ」
俺達の席、グリーン車だった。
グリーン車なんて乗ったことないんだけど。
「なんか芸能人になったみたいだね」
席も広いし、フカフカだ。
「私達高校生には、勿体無いよね」
まぁ、3時間堪能しなきゃ勿体無い。
「ねぇ輝」
「どうした?」
「いきなり、飛行機から新幹線なんて、色んなことあるねぇ」
「まぁ流石にこれ以上は何も起こらないんじゃない?」
――――――――――
一方そのころ隆貴と菜月は……
――――――――――
「むぅ~」
「どうしたの西原さん」
「なんで二人に渡しちゃったかなぁ~」
「二人に、グリーン車あげようよって、西原さんが言ったんだよ」
「言ったよ!言ったけどさ~。あそこで隆貴が、「そうだね」って言わなかったら」
「そんなに公開するなら他の奴にあげて、4人席を俺達で座ればよかったじゃん」
「はいはい。分かってますよ。女の子はこんなところで正論は求めてないんですよ!隆貴に相談した私がバカでしたっ」
――――――――――
前回、学が無いばかりに都道府県間違えました。
特に住んでいる方申し訳ありませんでした(´;ω;`)
気を付けますorz
皆さん、𝑀𝑒𝑟𝑟𝑦 𝐶ℎ𝑟𝑖𝑠𝑡𝑚𝑎𝑠(*˙꒳˙)メリクリ
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