12月 修学旅行
第60話 修学旅行①-1 行き先と行く末
とある数か月前(体育祭前)のホームルーム。
「お前ら、席に着け~。今日のホームルームはお前らに嬉しいことだぞ」
先生が教室に入って来るやいなやそんなセリフを吐いたため、生徒たちはなんだなんだと各々に予想を立てながらも各自席に着いた。
俺も読んでいた本を閉じ先生の話に耳を傾ける。
「せんせー、嬉しいことって何ですか~」
「席替えとかじゃね?もうこの席飽きたし」
「お前らは何回席替えすれば気が済むんだよ。ただ!今回はその席替えとやらより楽しみであろうことだよ。それは……」
先生が言葉を溜めて皆の視線を集めたのちに、少し大きめの声で内容を言った。
「”修学旅行”についてだ」
その言葉に教室が一気に湧いた。
「マジで!?」「どこ行くんですか!?」「修学旅行キター!」と、テンションの上がったクラスメイトたちの声が飛び交う。
そんな中、先生は言葉を続けた。
「今年は、例年通り行き先を分けるみたいでな、行き先の希望を取らなきゃいけないらしい」
「へぇ~。それで先生、どこがあるの?」
「行き先の候補はな沖縄と北海道それと東京だ」
沖縄、北海道、東京かぁ。
どこも行ったことないなぁ。
「だが、色々大人の都合により投票数の多かった場所2つにしか行けないらしい。例えば、東京と沖縄が多かったら北海道に希望した人は東京と沖縄のどちらかに選び直してもらうって訳だ」
先生が続けて説明する中、クラスメイトたちは早速行き先について盛り上がり始める。
「沖縄で海とか最高じゃね?」
「いやいや、北海道だろ!飯がうまそうだし、スキーとかできんのかな?」
「東京ってさ、ネズミーランドとか行けんじゃね?」
♦♦♦♦
そんな話をしたホームルームの帰り道、俺は陽菜と帰りながら修学旅行の行き先を考えていた。
どこに行くのも飛行機かな。乗ったこと無いよな。
「輝も修学旅行のこと考えてるの?」
「えつ!あ、うん。どこも行ったことないからどこも悩ましくて」
「だよね~。あの3つから選ぶって、結構悩むよね~。私も絶賛悩み中」
「陽菜は、行った事あるトコあるの?」
「私は、東京くらいかな?でもネズミーランドは行ってないなぁ」
東京かぁ~。
あそこは行ってみたいけど、それはもっと先の話だなと、思いながら俺はスマホで各場所の名所などを検索してみる。
沖縄……。北海道……。どっちもいいなぁ~。
「あっ」
「どうしたの?」
俺は調べて出てきたある名所を見てここだとピンときた。
「陽菜、北海道にしよう!」
「????」
「ほら北海道は、何度でも行かないと駄目だし」
「どうして?」
「あんなにおっきなトコ、数日で回れる訳が無いし、場所場所で見どころも多いみたいだし。それに……ひ?」
本当の目的を言いかけて俺は咄嗟に辞めた。
これは当日まで隠しておいた方が陽菜にはサプライズになるだろうと思ったからだ。
「それに?」
「陽菜と」
「私と?」
「クリオネが見てみたい」
俺は開いていたサイトをスクロールして出てきたクリオネの写真を見せながらそう言った。
「プッ、アハハハ。クリオネって!そんな理由で!?でも……確かに可愛いよね、クリオネ」
「だろ?だから北海道!」
陽菜の笑顔に少し照れながらも、本心がバレないように俺は自信満々にそう答えた。
陽菜を家に送り届けた後、俺はもう一度さっきのサイトを開く。
『日本三大夜景・世界三大夜景に数えられている100万ドルの夜景
函館山は、季節を問わず多くの観光客でにぎわう函館一の観光スポットです。
標高334mの山頂から観る夜景は、日本三大夜景、そしてナポリ、香港と並び、世界三大夜景にも挙げられています。
山頂展望台から見下ろす角度や、市街地や麓の街々との距離など、絶妙の地理条件で展開される極上の夜景は、「宝石箱を開いた瞬間の感動」、「星が舞い下りて来た街」と形容され、夜景好きならずとも感動することでしょう。
告白にはもってこいの景色です』
俺は1つ気合いを入れるために「よし」と頬を叩く。
こういうタイミングが無いと言う勇気が出ない俺には少々自分でも腹ただしいが言うと決めたことを褒めて欲しい。
そうして俺は入念に計画だてるのであった。
――――――――――
この度は数ある作品の中から
「迷子の妹を送り届けた着ぐるみの中の人が俺だと気づいたクラスのマドンナがぐいぐいやって来る」
を読んでいただきありがとうございます!!!!
思い切って書き始めた作品のため、どうなるか分かりませんが頑張って書きたいと思いますので、続きが読みたい!など思った方はぜひ、★やコメント、♥などを付けてくれると嬉しいです。
今後こうなって欲しい、かわいいなどコメントを残してくれると嬉しいです。
みっちゃんでした( ´艸`)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます