第42話 文化祭②-1 謎解き①

文化祭2日目。

謎解きがありますので、ぜひ暇な方は咲音と共に考えてみてください。


――――――――――


▼松村咲音視点▼


――――――――――


「咲音、行ってくるね~。午前中はお姉ちゃんお仕事あるから、12時過ぎてから来るんだよ」

「分かった!いってらっしゃい」


今日はお姉ちゃんたちの学校で文化祭があるらしい。

体育祭の時とは違って、既に行くことは伝えているので怒られることは無いだろう。

お姉ちゃんのお見送りをしてから数時間後、私は前よりは軽いリュックを背負って家を出発した。


「だ~れにも ないしょで おでかけなのよ!」


あたしはそんな風にいつかテレビでみた番組で流れた歌をいつものように歌いながら歩く。


「ドレミファソラシド ドシラソファミレド レミファソラシド!」


そんな風に楽しみながら、時にはお茶を飲みながら休憩を挟み、歩くこと約30分。


「ついた~」


ようやくお姉ちゃんたちが通う学校に到着した。

体育祭の時と同様、たくさんの人が出入りしていて賑わっているのがうかがえる。

校門付近に置いてある時計は12で重なる10分ほど前だった。


「早く着いちゃったけどいいよね。お姉ちゃんたち見に行ってみよう!」


校舎の入り口をくぐり、準備されていた大きなスリッパをはいてお姉ちゃんたちのクラスへ向かう。

お姉ちゃんたちのクラスの場所は聞いていたのでそこへ真っ直ぐ向かい、中を覗いてみると直ぐに見えたのはタキシードを着た輝お兄ちゃん。

「ご注文はどうされますか?」と、接客している最中だ。


あたしは持って来たお下がりスマホのカメラを起動させてシャッターを切った。

お姉ちゃんも探すと、お兄ちゃんのさらに奥に同じ格好のお姉ちゃんが料理を運んでいたのでそちらも同じように写真に収めた。

するとお兄ちゃんがこちらに気付いたのか近づいてきた。


「咲音ちゃん、もうちょっとで終わるから、もう少し待ってね」


言われた通り待っていると、10分ほどでお兄ちゃんとお姉ちゃんが着替えてやって来た。


「「お待たせ」」

「それじゃあ、行こっか。咲音、どこか行きたいところとか見つけた?」


あたしが少し悩んだそぶりを見せると、お兄ちゃんが提案をしてきた。


「謎解きとかどう?なんか1年の4クラスが協力した大掛かりな謎解きがあるらしいんだ。参加料は取られるらしいけどフルーツ飴とかも貰えるらしくて」

「やりたい!」

「それじゃあそうしよう!」

「次のスタートが12時30分だったはずだから急ごう!」


謎解きのスタート場所であるクラスに到着し受付に並ぶ。


「1グループで参加料1500円になります。こちら、ここの謎解き内での通貨の1500”縁”と地図になります。お楽しみください」


そう言ってクラス内に案内されると、会場内は神社のお祭りのような雰囲気で装飾されていた。

既にいくつものグループがいて、あたしたちが最後だったのか入ると直ぐにアナウンスが始まった。


「さあさあ、今日はここ謎解き神社の縁日の日。屋台で出される謎を解き、ぜひ綺麗な花火を見れるように頑張ってください!出だしはまず、真のお守りを手に入れるといいでしょう。それでは、不思議な縁日をお楽しみください」


そのスタートの合図とともに周りのグループは一斉に動き始めた。

あたしたちも遅れまいと動き始める。


「お兄ちゃん、真のお守りだって」

「なんだろうね。福引もあるけど、なんか変だね。一等が金、外れが白は分かるけど、二等三等が赤に紫って」

「とりあえず、お守り売り場まで行ってみよっか」


神社と同じ部屋にあるお守り売り場まで行ってみると、赤と黄色、緑と白のお守りと1つの立て看板があった。



季節はずれの黄色い蝶々

家路帰ろとおなじ花

若いろの空も赤の花

神様や御守りなどの不思議な力はなかなか感じられないものです。

素直に

「感じ無い」

と認めることができれば真の御守りが手に入ります。



「お兄ちゃん、咲音分からない。分かる?」

「俺は分かったかな。陽菜は?」

「分かんない。ヒント、ヒント頂戴」

「咲音も!」


お姉ちゃんも分からないらしく、分かったお兄ちゃんにヒントをおねだりする。


「そうだな~。咲音ちゃんって漢字読める?」

「読めるのと読めないのある」

「それじゃあ、読めない漢字は飛ばして音読してみよっか」


お兄ちゃんにそう言われてあたしは言われた通り読めるものだけを音読していく。


「はずれの、い、ろとおなじいろ……」

「分かった!」


あたしが分かったのと同時にお姉ちゃんも分かったらしく大きな声が響いた。


「はずれの色と同じ色だから、福引の外れの色の白が真のお守りの色だ!」

「そうだね。これで買っておいで」


そう言ってお兄ちゃんに渡されて500縁で白いお守りを買いに行った。


「白いお守りですね。では、次はヨーヨー釣りに行ってらっしゃい」


白いお守りを受け取ったあたしはお兄ちゃんたちの元へ戻る。


「次はヨーヨー釣りに行ってらっしゃいだって」

「ヨーヨー釣りは2つ隣のクラスって地図に書いてあるよ」

「それじゃあ、行ってみよう」


そうしてあたしたちは無事1つ目の謎を解いて、次なる謎のあるであろうヨーヨー釣りの部屋へ向かったのだった。


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