かばん
大盛況に終わった興業の、解体される舞台を前に、先ほどの盛り上がりの薄れゆく熱気の余韻の中を、裏を忙しく走り響く足音の数の、拍子が掴めたならば、通りすがった風圧に終焉を感じた談笑は、立ち込めた空気はしめやかに、それにならってしめやかに、てんてんとその場を去っていく。
無音になったどっしりと深くに座り込んだ背中は、ひとつもわずかも動くことなく、落ち着いた呼吸には肩を揺らすこともない。
無の時間に満足いったか、いかないか、どちらともいえない空気を断ち切るかばんを閉める音は、その人間のどうこうなど関係もなく、締まりいく摂理であることを、無音の中に終焉の拍子を響き渡らせていく。
お疲れ様、また明日。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます